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箱庭療法学研究 第33号1巻に、中沢新一特任教授が基調講演者を、河合俊雄教授が指定討論者を務めたシンポジウムの記録が掲載されました

中沢新一特任教授が基調講演者を、河合俊雄教授が指定討論者を務めた日本箱庭療法学会第33回大会シンポジウム(2019年11月16日/国立京都国際会館)の記録が、箱庭療法学研究 第33号1巻に掲載されました。

 

中沢新一, 河合俊雄, 桑原知子 (2020) 河合隼雄と仏教. 箱庭療法学研究. 33 (1). 75-89.

 

-構成-
基調講演
 東洋と西洋の心の違い
 河合隼雄の「新しい学問」
 「華厳経」と「新しい科学」
ディスカッション

 

シンポジウムは、「河合隼雄と仏教」というテーマで行われました。シンポジウムの前半では、基調講演として中沢教授が講演をし、その講演を踏まえて、中沢教授と指定討論者である河合教授とのディスカッションが後半に行われています。

中沢教授は自身の学んだチベット仏教と、河合隼雄先生との交流などに触れながら、河合隼雄先生が欧米人とは異なった「日本人の心」を理解し、更にアジア人や日本人の心のほか、欧米人の心をも包含できるほどの普遍性をもった心理学を導き出すために、「華厳経」「大乗起信論」という仏教に着目したことを紹介しています。その中で中沢教授は、考古学の知見、「ロゴス」と「レンマ」という心の働き、華厳経の描く心の構造などから東洋と西洋の心の違いを解説し、「欧米の心をも、仏教は普遍性をもって包含できるのではないか」と考えた河合先生の思想をわかりやすく提示しています。

その後に続くディスカッションでも、考古学の知見や華厳経の考え方を基に、北欧の地域性や引きこもりなど幅広い話題について、中沢教授と河合教授の間で議論がなされていきます。特に河合教授は、河合隼雄先生が晩年「物語」から心というものを考えようとしたことを述べた上で、「物語と時間性」を話題として取り上げています。この話題の中では、物語の原型である「神話」の目的が、時間も空間もない場所に私たちの心を連れていき、ある種の違う世界に行って戻ってくることであり、そこでは価値の逆転が起こって世界が新しくなることを、中沢教授がまず指摘しています。そしてそれを受けた河合教授は、それは生と死の境界を超えること、意識と無意識の境界を超えていくことと捉えられ、大きな意味があるのではないかと述べ、ディスカッションを更に進めています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

2020/10/07

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