畑中特定准教授らが執筆した論文が”Innovation: The European Journal of Social Science Research”に 掲載されました。
畑中千紘特定准教授、河合俊雄教授、鈴木優佳特定助教、粉川尚枝特定助教らが執筆した論文が
”Innovation: The European Journal of Social Science Research”誌に掲載されました。
論文タイトル:Paradoxical nature of narrative in analytical psychotherapy
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13511610.2022.2070135 論文はオープンアクセスとなっています。
本論文は「こころの豊かさとその逆説性:心理療法にみられるこころの変化とその波及」プロジェクトによって
推進された研究成果をまとめたものです。
来談者の語りを聞くことを中心とする心理療法は
臨床心理学・分析心理学の理論に基づいて行われているものではありますが、
実際に人のこころがどのように変化していくのか、変化の要因にはどのようなことがあるのかを
実証的に調べた研究は多くありません。
本研究では、100余りの事例から抽出した指標を作成した後、
203の心理療法事例のプロセスを評定し、評定結果からこころの変化について描き出すことを試みました。
心理療法の中で起こっている変化を、抽象的な形で取り出すことによって、
来談者のプライバシーを守りつつ、こころの変化の本質を捉えようとしたものです。
その結果、
(1)自分の物語に入る際に抵抗が生じることがあるため、物語が始まることがまず大切である、
(2)プロセスの中で物語の進展を妨げる否定的な動きが起こってくることがあるが、それは同時に前進にもつながる、
(3)個人の物語でありながらそれは周囲の他者とも相互的に影響し得る
2022/05/18