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ニュース

2017年

           

第2回京都こころ会議シンポジウムの動画を公開しました

2ndkokoro_initiative.png 第2回京都こころ会議シンポジウム 「こころの内と外」(2016年10月10日開催/於:京都大学芝蘭会館稲盛ホール)の講演動画を公開しました。


 河合俊雄教授からの「こころの内と外」をテーマに開催された4度のこころ研究会の報告、赤坂憲雄学習院大学教授の講演、吉川左紀子センター長、湊長博京都大学理事のスピーチを視聴いただけます。


 下記リンク先にアクセスしてご覧ください。動画サイトの Youtube(ユーチューブ)でも「京都こころ会議」等で検索して視聴可能です。


第2回京都こころ会議シンポジウム 「こころの内と外」動画ページ
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/KyotoKokoroInitiative/2017/02/2-20161010.php

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2016年

           

第2回京都こころ会議シンポジウム「こころの内と外」を開催しました

 2016年10月10日、京都大学芝蘭会館・稲盛ホールにて第2回京都こころ会議シンポジウムを開催しました。今回の第2回シンポジウムでは、昨年度の第1回シンポジウム「こころと歴史性」で議論された閉じることと開くことの逆説性から、「こころの内と外」がテーマとなりました。当日は200名を超える参加者にご来場いただきました。


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 はじめに、吉川左紀子センター長が、主催者を代表して開会の言葉を述べました。京都こころ会議の主旨とこころの未来研究センターの10年来の取り組みを紹介し、人のこころのあり方について、科学的観点だけでなく、社会や自然、文化などさまざまな角度から議論し、認識を深めていきたいと今後の展望を述べました。
 次に、当センターの河合俊雄教授が「こころの内と外:こころ研究会から」と題して、本年度に開催された、以下の4つの京都こころ会議研究会(通称:こころ研究会)の報告を行いました。

     第1回:池上高志(複雑系・人工生命)「人工の心と現実の脳:自己組織化、アルゴリズム、マッシブデータフロー」
     第2回:Harald Atmanspacher(理論物理学)「二面一元論(dual-aspect monism)におけるこころのあり方」
     第3回:中沢新一(人類学)「理事無礙法界について」
     第4回:田中康裕(臨床心理学)「日本的風景と主体:古くて新しい意識のあり方」

 このように4回のこころ研究会は幅広い分野にまたがるものでしたが、「こころの内と外」という観点からすれば、「乱雑さ(messiness)」「全体性の崩壊と回復」「偶然」「知覚と意識の隙間」「主体と客体の融合」「奥ゆきと広がりの同一性」などのキーワードで示されるように、私たちがこころをリアルなものと感じる契機とは、真逆のもののなかに開かれる隙間や裂け目、中間にこそあるのではないかという議論が共通点であったように思われます。
 続いて、赤坂憲雄学習院大学文学部教授が「遊動から定住へ――そのとき、こころの変容は起こったか」と題して講演を行いました。民俗学を専門とする赤坂先生は、私たちが無意識に抱く「逃げる」ことに対する忌避の背景に、1万年前に生じた遊動から定住へという生存戦略上の大変革によってもたらされた「逃げられない社会」があることを示し、離合集散を認める新たな「逃げられる社会」をデザインしていくことの必要性を論じました。
 休憩を挟んで、赤坂教授、河合教授に池上高志東京大学大学院総合文化研究科教授と山極壽一京都大学総長を加えた4名による総合討論が行われ、逃げることと自由、有史を超えた時間的展望からこころを捉えていくことなどについて、大変白熱した議論が展開されました。
 最後に、湊長博京都大学理事が閉会の言葉として、京都こころ会議でのこころについての議論が、人の行動様式や社会のあり方に影響を与えられるような発信力をもっていくことを大学として期待すると述べ、第2回シンポジウムは盛会のうちに終了いたしました。当日の司会進行は内田由紀子准教授が務めました。
 今回行われた第2回京都こころ会議シンポジウムの講演内容は、近く当HPでも動画配信を行う予定です。

<報告:梅村高太郎研究員>


[シンポジウム写真]
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[開催ポスター]
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[DATA]
▽ 日時:2016年10月10日(月・祝)13:30~17:20(13:00~受付開始)
▽ 会場:京都大学芝蘭会館稲盛ホール(京都市左京区吉田近衛町)
▽ プログラム:
 13:30~13:40 開会の言葉 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター・センター長)
 13:40~14:40 研究会報告 『こころの内と外:こころ研究会から』
          河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター・教授)
 14:40~15:50 講演 『遊動から定住へ――そのとき、こころの変容は起こったか』
          赤坂憲雄(学習院大学文学部・教授)
 15:50~16:10 休憩
 16:10~17:10 総合討論 赤坂憲雄、池上高志(東京大学大学院総合文化研究科・教授)、山極壽一(京都大学・総長)、河合俊雄
 17:10~17:20 閉会の言葉 湊長博(京都大学・理事)
司会進行:内田由紀子(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
主催:京都大学こころの未来研究センター
後援:公益財団法人 稲盛財団

           

第1回京都こころ会議シンポジウムの動画を公開しました

kokoro_initiative_banner.png 第1回京都こころ会議シンポジウム 「こころと歴史性」(2015年9月13日開催/於:京都ホテルオークラ)の講演動画を公開しました。全ての講演、総合討論、挨拶を収録しています。


 「こころと歴史性」をテーマに中沢新一明治大学野生の科学研究所長、河合俊雄教授、広井良典千葉大学教授、下條信輔カリフォルニア工科大学教授、山極寿一京大総長ら5名のシンポジストがおこなった講演とディスカッション、吉川左紀子センター長、稲盛和夫稲盛財団理事長らすべての登壇者のスピーチを視聴いただけます。


 下記リンク先にアクセスしてご覧ください。動画サイトの Youtube(ユーチューブ)でも「京都こころ会議」等で検索して視聴可能です。


第1回京都こころ会議シンポジウム 「こころと歴史性」動画ページ
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/KyotoKokoroInitiative/2016/05/1-2015913-7.php

           

第1回京都こころ会議シンポジウムを書籍化した『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』が出版されました

kokoro_initiative.png 第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」(於:京都ホテルオークラ/開催日:2015年9月13日)の内容が書籍化され、『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』というタイトルで岩波書店より出版されました。


 書籍は、河合俊雄教授、山極寿一京大総長、中沢新一明治大学野生の科学研究所長、広井良典千葉大学教授、下條信輔カリフォルニア工科大学教授ら5名のシンポジストによる講演とディスカッションが一冊にまとめられています。臨床心理学、霊長類学、人類学、公共政策、認知神経科学など、それぞれのアプローチから「こころ」のこし方とゆく末に切り込んだ知の探求録です。


『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』
著者:河合俊雄、中沢新一、広井良典、下條信輔、山極寿一
出版社: 岩波書店 (2016/3/17)
定価:本体 2,100円 + 税
四六判・並製・224頁
ISBN-10: 400022946X
ISBN-13: 978-4000229463


 科学技術の進歩、グローバル化による大きな経済圏の出現、さらには近年の地球環境の変化が加わって、人々の生活や関係は大きく変わってきています。そしてそれらはおのずから人々の「こころ」に影響を及ぼし、ときにはこれまでの世界観を揺るがそうとしています。
 それに対しては、科学技術や経済などそれぞれの分野での個別的な対応も必要ですが、それに直面し、またそれに適応できるはずの人の「こころ」に焦点を当てることが重要なのではないでしょうか。つまり人類がこれまで「こころ」をどのように捉えてきたのかを踏まえつつ、「こころ」とは何かを探究し、さらに何がこれからの「こころ」の拠り所となるのかを明らかにすることが必要になってくると思われます。
 京都大学は、公益財団法人稲盛財団より支援を受けて、こころの未来研究センターを中心として「京都こころ会議(Kokoro Initiative)」を二〇一五年四月に立ち上げました。「京都こころ会議」は、さまざまな学問から「こころ」の過去、現在、未来を問い、またその際に日本語の「こころ」という言葉に含蓄されている広くて深いニュアンスから、こころの新しい理解を「Kokoro Initiative」として世界に向けて発信しようとするものです。
 初年度である二〇一五年九月一三日には、「こころと歴史性」という題で「第一回京都こころ会議シンポジウム」が開催されました。本書はそこでの五つの講演、「「もの」と「こころ」の統一へ」(中沢新一)、「こころの歴史的内面化とインターフェイス」(河合俊雄)、「ポスト成長時代の「こころ」と社会構造」(広井良典)、「こころの潜在過程と「来歴」ー知覚、進化、社会脳」(下條信輔)、「こころの起源ー共感から倫理へ」(山極寿一)、および最後のディスカッションの要約を収録したものです。
 二年目は、「こころの内と外」をテーマに予定しています。


(「はじめにー京都こころ会議について」河合俊雄 より)


出版社の書籍ページ
Amazon.co.jp の書籍ページ

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2015年

           

『京大広報』に第1回京都こころ会議シンポジウム、京都大学東京フォーラムの模様が掲載されました

 京都大学の広報誌『京大広報』の715号(2015年10月発行)に、第1回京都こころ会議シンポジウム(2015年9月13日開催/京都ホテルオークラ)の報告が掲載されました。また、同誌716号(2015年11月発行)に、吉川左紀子センター長が登壇した京都大学東京フォーラム(2015年10月20日開催/パレスホテル東京)の報告が掲載されました。


 それぞれの記事は、京都大学ウェブサイトの『京大広報』のページよりPDFをダウンロードしてご覧いただけます。


715.png第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」を開催


 9月13日(日),京都ホテルオークラにて第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」を開催した。4月に発足した「京都こころ会議」の第1回シンポジウムとして,こころの歴史性に焦点をあて, 5人の講演者がそれぞれの専門分野から講演,討論をおこない,400名を超える参加者が来場した。


(記事より抜粋。『京大広報』715号 PDF:8.12MB

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716.png京都大学東京フォーラムを開催


 本フォーラムでは,山極総長による挨拶の後,髙林純示生態学研究センター教授が「植物と昆虫の会話を解読する」と
題して,また阿形清和理学研究科教授が「切っても切ってもプラナリア─再生を科学する─」と題して講演を行った。続いて山極総長と髙林教授,阿形教授,吉川左紀子こころの未来研究センター教授の4名により,面白い研究とは何かについてのパネルディスカッションが行われた。


(記事より抜粋。『京大広報』716号 PDF:4.87MB


京大広報 | 京都大学ウェブサイト

           

第1回京都こころ会議シンポジウムが毎日新聞、読売新聞、京都新聞などで取り上げられました

 2015年9月13日、京都ホテルオークラで開催した第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」は、毎日新聞、読売新聞、京都新聞など様々なメディアで取り上げられました。掲載内容の一部をご紹介します。


1510kokoro_media.png■「こころで読み解く人類史 京都で会議、議論白熱8時間」
読売新聞(2015年10月15日付)


 宗教対立や民族紛争など世界が直面する問題を人間の<こころ>の観点からとらえ直す「第1回京都こころ会議」(京大こころの未来研究センター主催)が、京都市内で開かれた。(中略)
 臨床心理学者の河合俊雄・京大こころの未来研究センター教授は、こころの内外を巡る歴史性を語った。前近代では「こころ」は自然や異界とつながる「オープンシステム」で、病とは憑依や魂の喪失だった。西洋近代では「こころ」を個人の内部に閉じられたシステムとして把握し、病に対して心理療法が行われるように変化したのだが、前近代の世界観も「こころの古層」として息づいているという。
 議論は白熱し、8時間近くに及んだ。現代のインターネット社会で、なお「こころ」の問題が絶えないのはなぜか。個人、共同体、あるいは人と自然が「つながる」には何が必要か。人類のさらなる進化の可能性はー。人を人たらしめる、「こころ」の可能性を実感した会議だった。(記事より)


■「こころの歴史性に焦点 第1回京都こころ会議シンポジウム開催」
京都大学新聞(2015年10月1日)


 こころとその歴史性について考える第1回京都こころ会議シンポジウムが9月13日、京都ホテルオークラで開催され、これからの社会で「こころ」に求められるものについて分野の異なる5人の学者が発表した。
 まず吉川左紀子・こころの未来研究センター長が「こころ」という日本語のもつ多面性と複雑性について説明した。(中略)
 下條信輔・カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授は、個人史が年輪のように一つ所に蓄積された「来歴」という概念を提示し、色知覚や身体化した知性について来場者に体感させながら、「こころの発達に影響を及ぼす遺伝と環境の両要因は実に複雑に畳み込まれており、それゆえに来歴を振り返ることが重要」と主張した。(記事より)


■「人間 多角的に考える 多分野の学者ら分析 京都こころ会議」
毎日新聞(2015年9月28日)


 「歴史性がテーマ」
 会議では宗教学者の中沢新一・明治大野生の科学研究所長が「こころの構造と歴史」のテーマで講演。「どうすればモノとこころが統一的に理解できるかということに関心があった。現代はモノを理解する自然科学と、こころを理解する人文科学の方法論が分離している。だが神経科学的な情報伝達のあり方と、こおろの深層の構造とは同じ数学の言葉で表現できることが明らかになってきた。21世紀のサイエンスはモノとこころの統一が重要な要素になる。そのとき人文学が新しい生命をもって浮かび上がってくるだろう」などと期待を込めた。(記事より)


■「こころ」とは 多角的に議論 京大が初シンポ
京都新聞(2015年9月14日)


 京都大が立ち上げた「京都こころ会議」の第1回シンポジウムが13日、京都市中京区のホテルであった。脳科学や臨床心理学など幅広い分野の専門家や市民ら約400人が参加し、人間の「こころの成り立ち」や理解の歴史について学識者が多角的に論じた。(記事より)


■第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」
朝日新聞(2015年7月16日)


 9月13日午前9時半〜午後6時、京都市中京区河原町御池の京都ホテルオークラ。「こころ」という日本語に含まれる広がりや深いニュアンスを大切にしながら、豊かなこころが育まれる社会のあり方を議論する。吉川左紀子・京大こころの未来研究センター長の開会の言葉、稲盛和夫・稲盛財団理事長のあいさつなどの後、講演がある。(記事より)


第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」を開催しました
「京都こころ会議(Kokoro Initiative)」が発足し、調印式、記者発表がおこなわれました

           

第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」を開催しました

 2015年9月13日、京都ホテルオークラにて第1回京都こころ会議シンポジウム「こころと歴史性」を開催しました。4月に発足した「京都こころ会議」の第1回シンポジウムとして、こころの歴史性に焦点をあて、5人の講演者がそれぞれの専門分野から講演、討論をおこないました。当日は、400名を超える参加者にご来場いただきました。


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 はじめに吉川左紀子センター長が、京都こころ会議発足の経緯を紹介し、その意義と取り組みについて、「歴史や文化、自然や環境など大きな枠組みと関係づけながらこころの豊かさやかけがえのなさを明らかにし、豊かなこころを育む人間社会のあるべき姿を国内外に"Kyoto Kokoro Initiative"として発信していきたい」と挨拶しました。
 続いて、公益財団法人稲盛財団の稲盛和夫理事長より、「稲盛財団では、人類の未来は科学の発展と精神的進化のバランスがとれて初めて安定するとの理念を掲げ、さまざまな取り組みを続けてきた。ひとのこころの大切さを問い直し、日本人に古くから伝えられて来た倫理観や道徳心について、その実践や提言を世界に向けて発信する本事業が、今後の人類の精神的進化に大きく貢献することを願っています」と、激励の言葉を頂きました。
 また、文部科学省研究振興局学術機関課の牛尾則文課長より、「こころの未来研究センターは、学問の領域をこえてこころに関する学際的な研究を進め、社会にも積極的に成果を発信している。真のこころの豊かさが問われている今この時期に、本会議が始まるのはタイミングとしても素晴らしい。ますますの発展を祈念します」とお祝いの言葉を頂きました。
 続いて、中沢新一明治大学野生の科学研究所所長が「こころの構造と歴史」というテーマで基調講演を行いました。中沢先生は「自然科学と人文学が考えるこころをつなぐことが、今こそ必要である」とし、現代の神経科学において解明されてきたこころと、人文学が捉えてきたこころを比較しながら「21世紀は、ものとこころの統一が重要な要素となる。今後、脳の過程とこころの過程が近付き、さらに深い理解が可能になるだろう」と、京都こころ会議への期待を話されました。
 次に、こころの未来研究センターの河合俊雄教授が「こころの歴史的内面化とインターフェイス」というテーマで講演しました。「自然や異界にまで広がるオープンシステム」として捉えられてきた日本人のこころと、キリスト教での祈りから精神分析にまでつながる「個人の中に閉じ込められたクローズドシステム」としての西洋人のこころを比較すると共に、インターネット社会が出現してこころをインターフェースとして捉える傾向へと変化してきた流れについて、臨床心理学の視点から考察をおこないました。
 午後は、広井良典千葉大学教授が「ポスト成長時代の『こころ』と社会構想」というテーマで講演をおこないました。公共政策、科学哲学を専門とする広井先生は、拡大・成長から成熟・定常へと変化する日本において人のこころや社会はどのように対応するべきか、文化的史実やデータに光をあてながら、ポスト成長時代のこころと社会の在り方について展望しました。
 休憩をはさんで、下條信輔カリフォルニア工科大学教授・こころの未来研究センター特任教授が「こころの潜在過程と"来歴"~知覚、進化、社会脳」というテーマで講演をおこないました。下條先生は、自身の研究から生まれた「こころの来歴(らいれき)」という概念について、「年輪がその木の生育歴を一瞬で示すように、来歴は遺伝-経験、環境-脳の相互作用の痕跡が、あらゆる時間スケールで、個体の歴史を超えて重ね合わさったもの」とし、自分や他者の来歴を丹念に振り返ることで人間の本性や、未来のこころを探る手がかりになる、と考察しました。
 最後に、山極壽一京都大学総長が「こころの起源――共感から倫理へ」というテーマで講演をおこないました。霊長類学が専門の山極先生は、性を隠匿し食を公開するという、他の霊長類とは逆の独自システムを持つ人間の特性に注目し、複雑な人間社会の背景にある人のこころの成り立ちについて、ゴリラをはじめとする霊長類研究の成果を様々な動画とデータとともに示しながら、こころの理解における比較研究の意義について論じました。
 その後、5名の講演者による総合討論がおこなわれ、総括コメントとして、鎌田東二こころの未来研究センター教授が「知のフロントランナーたちがこころについて様々な角度から考察した豊かな時間だった」と語り、日本人のこころとアニミズムに関連して、戦後に流行した「リンゴの唄」の歌詞を紹介し、「りんごにもこころを見出す日本のアミニズムがどんな可能性をもつのか、今後の京都こころ会議での議論の展開に期待している」と述べました。
 また、閉会の言葉として湊長博京都大学理事・副学長が、「京都大学には20をこえるたくさんの研究所、センターがあり、こころの未来研究センターはそのうち最も小さいセンターだが、こころという最も大きいものを対象に研究をおこなっている。こころをめぐる研究が今後、個人と社会の道しるべにつながるよう発展していくことを期待しています」と話し、シンポジウムは閉会しました。
 今回おこなわれた第1回京都こころ会議シンポジウムの講演内容は、書籍として出版される予定です。また、2016年には「国際京都こころ会議」を開催する予定です。


[シンポジウム写真(登壇順)]

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[開催ポスター]
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[DATA]

▽ 日時:2015年9月13日(日)9:30~18:00(9:00~受付開始)
▽ 会場:京都ホテルオークラ3階 翠雲(アクセス)
    (京都市中京区河原町御池)
▽ プログラム:
   9:30-9:50  開会の言葉 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター・センター長)
            挨拶    稲盛和夫(公益財団法人稲盛財団・理事長)
            祝辞    牛尾則文(文部科学省研究振興局学術機関課・課長)
   9:50-11:00  講演①   「こころの構造と歴史」
                  中沢新一(明治大学野生の科学研究所・所長)
   11:00-12:00 講演②   「こころの歴史的内面化とインターフェイス」
                  河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター・教授)
   12:00-13:20 休憩
   13:20-14:20 講演③   「ポスト成長時代の「こころ」と社会構想」
                  広井良典(千葉大学法政経学部・教授)
   14:20-15:20 講演④   「こころの潜在過程と"来歴"~知覚、進化、社会脳」
                  下條信輔(カリフォルニア工科大学生物・生物工学部・教授)
   15:20-15:40 休憩
   15:40-16:40 講演⑤   「こころの起源――共感から倫理へ」
                  山極壽一(京都大学・総長)
   16:40-17:40 総合討論  中沢新一、河合俊雄、広井良典、下條信輔、山極壽一
   17:40-18:00 総括    鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター・教授)
            閉会の言葉 湊長博(京都大学・理事)

主催:京都大学こころの未来研究センター
後援:公益財団法人 稲盛財団

           

「京都こころ会議(Kokoro Initiative)」が発足し、調印式、記者発表がおこなわれました

 この度、公益財団法人稲盛財団の支援を受け、「京都こころ会議(Kokoro Initiative)」を開催していくはこびとなりました。2015年4月14日、本会議の発足にあたって、京都大学百周年時計台記念館迎賓室にて調印式および記者発表がおこなわれました。


 調印式では、吉川左紀子センター長による京都こころ会議の趣旨説明、山極寿一京都大学総長ならびに稲盛和夫稲盛財団理事長からの挨拶があり、寄付同意書への調印がおこなわれました。報道記者による質疑応答では、河合俊雄教授が本会議の具体的な計画について、記者からの質問に答えました。当日の模様は地元のテレビ局、KBS京都のニュースで報じられたほか、毎日新聞、京都新聞、日刊工業新聞など多数のメディアで取り上げられました。


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 以下、こころの未来研究センターより発表したプレスリリースを記載いたします。


京都こころ会議(Kokoro Initiative)
こころの未来研究センター 河合俊雄(臨床心理学)


1)事業目的
 科学技術の進歩、グローバル化による大きな経済圏の出現、さらには近年の地球環境の変化が加わって、人々の生活や関係は大きく変わってきています。そしてそれらはおのずから人々の「こころ」のあり方に影響を及ぼし、時には「こころ」が変化についていけず、さまざまな問題を引き起こすこともあります。
 こうした現状に対して科学技術を頼りに、あるいは環境を変えることにより解決をはかろうとするのではなく、それに直面している人々の「こころ」そのものに焦点を当てて、より本質的な問題の理解とその解決に到る道筋を、丹念にたどることが必要なのではないでしょうか。
 人類がこれまでどのような「こころ」のあり方で世界と向き合い、「こころ」をどのように捉えてきたのかを踏まえつつ、「こころ」とは何かを探究し、さらにこれからの「こころ」に求められるあり方を明らかにすることが、今の私たちに求められていることではないかと考えます。
 「京都こころ会議」は、古来の「こころ」を踏まえてその未来を問い、また日本語の「こころ」という言葉に含蓄されているような広くて深いニュアンスから、こころの新しい理解を Kokoro Initiative として世界に向けて発信しようとするものです。
 2007年の設立以来、京都大学こころの未来研究センターの活動を通して蓄積されてきた、「こころ」についての学際的な研究とネットワークを生かしつつ、それをさらに広げ、深めていきたいと思います。


2)組織
・運営委員会:こころの未来研究センターを中心とした京都大学の全学的な委員会
・顧問・advisory board:稲盛和夫
・参加者:京都大学の研究者、国内外の招聘研究者、芸術家、企業家など。こころの未来研究センターが中心となってコアメンバーを形成し、研究会を重ねていく。


3)事業内容
1. 年に4回、「こころ研究会」をクローズドで開催する。その年度のテーマに沿って、研究者・芸術家・宗教家などを招聘して行う。
2. 「こころとは何か」を問う「京都こころ会議」、「国際京都こころ会議」を1年交代で行う。「こころ会議」には、稲盛和夫理事長と山極寿一総長の出席をお願いする。「こころ」が持つニュアンスの広がりを、「こころと歴史性」、「こころと共生」、「こころとグローバル社会」のように、様々な視点からこころのもつ多様性をクローズアップし、理解を深める。
3. 1と2の成果を、日本語、英語(Kokoro Initiative)でそれぞれ出版する。日本語の「こころ会議」についても英訳を行い京都大学のHP等を通じて発信する。


4) 事業計画
・2015年度
第1回京都こころ会議(1日間)「こころとは何か? - その歴史性」(仮)を9月13日(日)に京都で開催。講演者として中沢新一、山極寿一、広井良典ほか。稲盛和夫理事長も出席の予定。
こころ研究会を4回開催。
・2016年度
第1回国際京都こころ会議(2日間)
こころ研究会を4回開催。
・2017〜2020年度
第2〜3回「京都こころ会議」、「国際京都こころ会議」を開催。


□掲載媒体
KBS京都 京都新聞ニュース・天気予報(2015年4月15日 11:55〜放映)
「多分野の研究者『こころ』を議論 京大が『会議』設立へ」(京都新聞/2015年4月15日付朝刊23面)
「京都こころ会議 稲盛財団から活動支援寄付 京大」(日刊工業新聞/2015年4月15日19面)
「『こころ』の課題研究 9月に初会議 京大と稲盛財団」(毎日新聞/2015年4月16日22面)
「<京大・稲盛財団>「こころ」の課題、研究 9月に初会議 /京都」(gooニュース・毎日新聞/2015年4月16日)