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認知的文化差の基盤に関する研究:調整型・影響型対人関係の役割

                     (一般公募型プロジェクト)
研究代表者
宮本百合 ウィスコンシン大学マディソン校 助教
センター参加教員
内田由紀子 京都大学こころの未来研究センター 助教
 近年、社会・文化・認知心理学領域にまたがる研究において、基礎的な認知過程が文化間で異なることが明らかになってきた。しかし、そのような文化差がどのようなプロセスによって生起し、維持されているかというメカニズムについては十分な研究がなされていない。本研究では、認知の文化差を生み出す対人関係の在り方とその形成過程を実証的に探る。
 具体的には、相手に自分を合わせることを目的とした調整型の対人関係においては、文脈に注意を向ける認知様式が培われるのに対して、相手に影響を与えることを目的とした影響型の対人関係においては、文脈よりも要点のみに注目した認知様式が育まれると考えられる。このような対人関係の違いが認知の文化差の基盤にあるかを実験的手法を用いて検討する。
 文化間の違いについては多くの知見が積まれてきたが、文化内にも大きな個人差が存在する。例えば米国内においても、中流階級の人は文脈を軽視しがちであるのに対して、下流階級の人は文脈に注意を向けることが示唆されている。認知様式の基盤となる対人関係のあり方を探ることで本研究は、文化差だけでなく、文化内の個人差をも理解する包括的な枠組みを提示することができると期待される。

2009/04/21

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