描画法におけるイメージの自律性の研究
(一般公募型プロジェクト)
研究代表者
佐々木 玲仁 九州大学大学院・准教授
連携研究員
小森政嗣 大阪電気通信大学 准教授
センター参加教員
河合 俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授
共同研究員
長岡 千賀 京都大学こころの未来研究センター RPD
芸術療法の一つである描画法は心理臨床実践の場で広く用いられている。この技法においては、描き手も意識的に統制できないイメージの自律的なふるまいが技法の治癒力の発揮に大きく寄与していると考えられている。このようなイメージの自律性の様相については、これまで臨床事例研究の中で度々記述されており、その効果についても論じられてきた。しかしこのイメージの動きの様相に焦点を当てた研究はいまだ行われていない。
本研究では、このイメージの自律性を研究するために調査場面を設定し、風景構成法を用いて、定量的なものも含めた多種類のデータを収集分析することでイメージの自律的な動きの様相を具体的に描写する。この中で、どのようなイメージの自律的な動きがどの段階でどのような状況で生じるのかについて様々なテータに基づいて詳細に描き出していくことを目的とする。
本研究によりイメージの自律的な動きの様相を具体的な言語データや定量的データの裏付けをもって明瞭に示すことができれば、臨床場面でより有効な描画法の使用法が得られると考えられる。また、心理臨床の場で起きているこころの動きについて分かりやすく社会に発信する手掛かりが得られると考えられる。
2009/04/21