甲状腺疾患における「感情のなさ」について (『負の感情』領域)
研究代表者
河合俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
野間俊一 医学部精神科神経科・講師 精神医学
田中美香 隈病院・臨床心理士 臨床心理学
金山由美 京都文教大学・教授 臨床心理学
桑原晴子 岡山大学・講師 臨床心理学
深尾篤志 茨木市保健医療センター・所長 心療内科
梅村高太郎 京都文教大学・講師 臨床心理学
センター参画
畑中千紘 京都大学こころの未来研究センター研究員
甲状腺疾患は、古くから心身症の1つとして挙げられ、その心理的側面の重要性はこれまでも指摘されてきた。心身症全体に共通する重要な概念として「失感情症」(alexithymia, Sifneos 1973)がある。本研究は、センターの中心的なプロジェクト「負の感情」に関するものとして、この「失感情症」という考え方を受けて、「負の感情」が表明すらされないことのあり方を研究しようというものである。
これまでの甲状腺疾患についての研究でも、たとえば心理テストにおいて、反省的な感情が生じてきにくい問題は指摘されてきていた。「感情のなさ」というのが、どのような心理的特徴と関連するのかを研究することによって、逆に「負の感情」を持つことの意味も明らかになると考えられる。
2010/04/14