東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて~
研究代表者
鎌田東二 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
金川智恵 追手門学院大学経営学部教授 社会心理学
竹西亜古 兵庫教育大学教授 社会心理学
大川清丈 甲子園大学人文学部准教授 社会学
原田章 追手門学院大学准教授 統計学
島薗進 東京大学人文社会系研究科教授 宗教学
鈴木岩弓 東北大学文学研究科教授 宗教民俗学
玄侑宗久 花園大学客員教授 臨済宗僧侶・作家
金子昭 天理大学おやさと研究所教授 倫理学
稲場圭信 大阪大学人間科学研究科准教授 社会学・宗教学(PhD,ロンドン大学)
井上ウィマラ 高野山大学文学部准教授 スピリチュアルケア学
黒崎浩行 國學院大學神道文化学部准教授 宗教学
共同研究員
薮ノ 弘美 追手門学院大学大学院経営学研究科 博士後期課程2年
センター参画
内田由紀子 京都大学こころの未来研究センター 准教授
(教員提案型)
平成23年3月11日、東日本大震災という、未曾有の事態が発生した。地震・津波・原子力発電所の事故という3つの要素による複合的かつ甚大な影響をもたらす災害を経験したことで、日本における幸福感のあり方、社会関係のあり方は被災地ではもちろんのこと、その他の地域においても変化したと考えられる。
本研究プロジェクトでは、東日本大震災関連プロジェクトとして、宗教学・民俗学・社会心理学・文化心理学のアプローチから、こころの再生に向けての取り組みを行う。
宗教学・民俗学的アプローチとしては、「震災後の宗教の動向と世直しの思想と実践の研究」を研究題目とし、東北大学の鈴木岩弓氏が事務局の「心の相談室」、島薗進氏が代表の「宗教者災害支援連絡会」、稲場圭信氏が共同代表の「宗教者災害支援ネットワーク」などとの連携を保ちながら、①伝統文化の心と体のワザ(瞑想・武道・気功など)を活用したメンタルヘルスケア、②伝統文化および民俗芸能・芸術、聖地文化・癒し空間を活用した復興と再生、③脱原発社会の社会デザイン・世直しのありようを模索していく。その際、宗教的「世直し」思想と実践事例の解明とともに、21世紀文明のありかた、その中での日本文明の位置とありかた、そこにおける伝統文化(祭り、芸能、芸道、宗教など)の継承と活かし方、自然と人間と文明との関係の中での「生態智」の再発見・再評価と再構築、聖地などの安らぎや浄化をもたらす「癒し空間」の活かし方、などについて焦点を当てつつ考察していく。
社会心理学・文化心理学的アプローチとしてはこれまで取り組んできた若者の適応感・不適応感の研究、社会的ネットワーク形成過程についての研究をベースに発展させ、日本文化における災害下の心理状態、対人関係、動機付けの状況やそれらに影響を与えるような報道内容を調査し、長期的・俯瞰的な視点での災害時の心理行動についての知見を呈示する。基本的には被災地以外での調査から始め、今後の災害時の教訓となるような知見を示す。
2011/06/21