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がん患者のSOC(生きがい)調査 

                   (教員提案型プロジェクト)
研究代表者
ベッカー・カール 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
赤澤千春 京都大学大学院医学研究科 准教授
原田美穂子 京都大学医学研究科人間健康科学系専攻・助手
共同研究員
中嶋文子 京都大学医学部附属病院看護部 看護師長
高野満希子 京都大学医学部附属病院看護部 看護師長
五味美智子 仁泉会病院 内科医員
有田恵 京都大学こころの未来研究センター 研究員
プロジェクト趣旨
がん患者は治癒を目的に手術や副作用の強い化学療法を頻回に受ける。治療は短期間もあれば、長期に渡る患者もおり、それは、傷跡や身体的な変化また、心理的・社会的変化を受け入れ、健康状態にあわせライフスタイルを大きく変化させなければならず、そのストレス状況に適応するためのプロセスと時間が必要である。適応に時間がかかり、抑うつ状態等の不適応を引き起こす適応障害となる人もいる。
このプロセスと時間は患者により様々であるが、早期に回復過程をたどることができるように看護介入を行う必要がある。そこで、まず、ストレスを受ける患者側の要因であるそれまでの生き方やものの考え方など様々な個別の要素との関係を明らかにする必要がある。この個別の要素を分析する方法として首尾一貫感覚(SOC: Sense of Coherence)を測定することが有効であると考えた。
差し当たっての研究目的は、がん患者の困難な状況に適応し、スムーズに社会復帰を果たすためには、患者の共通する能力をSOC調査紙を用いて明らかにすることを目的とする。身体的・心理的・社会的変化を余儀なくされる患者や新たなライフスタイルへの受け入れ困難な状況の解析の多くはストレス・コーピング理論や危機理論を使ってされている。しかし今回は健康生成論に基づいたSOCに着目しそれを測定することにより、患者が持っているストレス対処能力を明らかにし、その能力の違いによる適応状況の違いを明らにできる。本研究では困難な状況に適応しスムーズに社会復帰を果たす患者の共通する能力を明らかにすることを長期目標とする。

2008/10/08

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