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2017年

           

上田助教らの研究が日本マインドフルネス学会で最優秀賞を受賞しました

 上田祥行助教が教育学研究科の藤野正寛日本学術振興会特別研究員(筆頭発表者)と進めている共同研究が、2016年11月5日・6日に開催された日本マインドフルネス学会第3回大会(早稲田大学)で「最優秀研究賞」ならびに「最優秀ポスター発表賞」を受賞しました。


 マインドフルネス瞑想における集中瞑想(FA)と洞察瞑想(OM)は、どちらも「内省を低下させる」、 「その背後のデフォルトモードネットワーク(DMN)の活動を低下させる」ことで、結果的に今この瞬間の幸福感を高める効果があるとされています。研究ではふたつの瞑想について、①それらを実現している神経基盤も共通なのか?②それらの効果は瞑想後にも持続するのか?という問題に注目し、fMRIを用いて瞑想時と瞑想後の神経基盤の機能的結合性の変化を調査しました。その結果、FAとOMでは、DMNに関わる神経基盤が異なることが明らかとなったほか、OMの瞑想後には、機能的結合性の変化が継続していることが分かりました。


 本研究は、こころの未来研究センターの連携MRI研究施設のfMRI 3T スキャナーを用いて実施されました。


◇発表タイトル
集中瞑想と洞察瞑想の神経基盤:線条体とデフォルトモードネットワーク間の機能的結合性の違い


◇発表者
藤野正寛1・上田祥行2(非会員)・水原啓暁3(非会員)・齋木潤4(非会員)・野村理朗1(非会員)
(1 京都大学大学院教育学研究科・2 京都大学こころの未来研究センター・ 3 京都大学大学院情報学研究科・4 京都大学大学院人間・環境学研究科)


◇発表ページ
http://mindfulness.jp.net/taikai_info.html


◇受賞ポスター
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※クリックするとポスター画像(PDF)が開きます

           

fMRI解析セミナー「画像解析相談室」を開催しました

 こころの未来研究センターfMRI解析セミナーを2017年3月24日、稲盛財団記念館3階大会議室にて開催しました。


 2013年に始まった本セミナーは、毎年、河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions、脳活動イメージングセンタ)を講師にお迎えし、fMRIにおける画像解析のスキル獲得を目的として阿部修士准教授の企画進行により実施しています。
 今年は例年とはスタイルを変えて、「画像解析相談室」という形式で行いました。これまでのfMRI解析セミナーの中で寄せられた疑問や、受講者が日頃の解析の中で感じる疑問等を、マンツーマンで相談・解決するためのセミナーとしました。


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○参加者の感想(アンケートより抜粋)
・マンツーマンということで質問が容易にできた。自分のデータに関連して話ができたので良かった。
・以前、解析について曖昧に理解していたところがすっきりしたので、助かった。
・技術的なところで重要なポイントを教えていただけるので、有り難い。
・先生とお話するまとまった時間をいただけてよかった。MVPAについて系統的に学習したい。
・丁寧に教えて頂いて有意義な時間になった。解析に行き詰まっていたが、出来ることが見えてきた。


[DATA]
fMRI解析セミナー「画像解析相談室」
日時:2017年3月24日(金)10:00~16:00
場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
講師:河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions, 脳活動イメージングセンタ)
対象:京都大学に所属する学生及び研究者
参加者:5名

           

阿部修士准教授の著書『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』が出版されました

0701abe_book.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の著書『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』が2017年1月、講談社より出版されました。
 本書は、認知神経科学を専門とする阿部准教授が、人間の意思決定の仕組みについて、心理学、脳科学における研究成果をもとに興味深い事例の数々と分かりやすい言葉で綴った、人の「こころ」を様々な角度から知ることのできる一冊です。


 講談社のWebメディア クーリエ・ジャポンには、書籍誕生のエピソードや執筆に至った経緯を阿部准教授みずからが執筆したエッセイが掲載されています。こちらもぜひお読みください。


「理性と感情、どちらが優位か?」ハーバードで気づいたこと|話題の新刊『意思決定の心理学』著者書き下ろしエッセイ - クーリエ・ジャポン



『意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策』
著者:阿部修士
発売日:2017年01月11日
出版社:講談社
価格:本体1,300円(税別)
判型:四六 208ページ
ISBN-10:4062586452
ISBN-13:978-4062586450


《目次》
はじめに
第一章 二重過程理論--「速いこころ」と「遅いこころ」による意思決定
第二章 マシュマロテスト--半世紀にわたる研究で何がわかったのか?
第三章 「お金」と意思決定の罠――損得勘定と嘘
第四章 「人間関係」にまつわる意思決定――恋愛と復讐のメカニズム
第五章 道徳的判断の形成――理性と情動の共同作業
第六章 意思決定と人間の本性――性善か性悪かを科学的に読む
第七章 「遅いこころ」は「速いこころ」をコントロールできるのか?
あとがき
引用文献
索引


意思決定の間違いと限界
 わたしたち人間にとって、生きているということは不断の意思決定の連続です。あなたが今この本を読んでいるのは、あなたの意思決定の結果であり、これからどこまで読み進めるのかもあなたの意思決定によって左右されます。わたしたちはこうした意思決定を、自分の思考や信念に基づいて行っていると思いがちです。ところが、わたしたちの意思決定は意識の外で自動的に起こるこころのはたらきに大きく影響を受けています。
 実際、自分の決断や判断の理由を、うまく説明することはそう簡単ではありません。昨日は我慢できた食後のデザートを、今日は我慢できなかったのはどうしてでしょうか?仕事を早く終わらせなければいけないとわかっているのに、友人から飲みに誘われてお店をはしごしてしまったのはどうしてでしょうか?
 頭ではやめた方が良いとわかっているのに、ついやってしまった、そんな経験は誰にでもあることでしょう。二度と同じ失敗をしないと誓ったはずなのに、また繰り返してしまうことも決して珍しくはありません。お金の損得を考える、他人との付き合いを考える、道徳的な善悪を考える、こうした様々な日常生活の行為や判断の中で、わたしたちは意思決定の間違いやすさや限界と常に隣り合わせです。そしてこうした意思決定を生み出しているのは、わたしたちの脳です。
(中略)
 本書の目的は、過去の心理学の研究成果を踏まえた上で、①主に脳科学の視点から、「速いこころ」と「遅いこころ」のはたらきを理解すること、②そういった脳のはたらきが、人間の道徳性や社会性などに関わる、きわめて高度な意思決定をも支えていること、この二点を解きほぐしていくことにあります。....

(「はじめに」より)


出版社の書籍ページ  (冒頭を試し読みできます)
Amazon.co.jp の書籍ページ

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2016年

           

脳科学集中レクチャー2016「意識学のすすめ」を開催しました

 こころの未来 脳科学集中レクチャー2016「意識学のすすめ」を、2016年12月1日・2日の2日間、金井良太先生(アラヤブレインイメージング代表取締役CEO)を講師にお迎えし、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の企画・進行により稲盛財団記念館大会議室で開催しました。


 2016年度の本レクチャーは「意識学のすすめ」というテーマで行いました。意識学という学問創出を目指す視点から、これまでの意識研究の背景や今後の意識研究の方法論、また分野横断的なアプローチの必要性などをわかりやすく講義して頂きました。金井先生が意識についての興味をもつに至ったきっかけや今後のビジョンにも話が及び、受講者にとって実りある集中レクチャーとなりました。


○参加者の感想(アンケートより)
・今までトピック的な形でしか開くことができなかった意識に関する話を初めて体系的に聞くことができて、自分の内で意識研究の全体のイメージが形成された。今後の勉教や進学の方針を考える上で、非常に有益だった。
・意識というあいまいな概念をどのような切り口で研究するのかについて、とても興味をもっていた。今回、金井先生のレクチャーでその一端を知ることができ、面白かった。
・人の意識の構造はどうなっており、そこでどのような情報処理が行われているのか、また人口意識について構想し、脳科学における研究成果を応用してこれからの社会に向けた技術開発がしっかり進んでいることについて伝えてもらえた。
・論文などでは知り得ない考察を知ることができて貴重な機会だった。
・二日集中という期間は、講義を理解するためにほどよく、非常に得るものも大きかった。議論、質疑も良かった。


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>


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[開催ポスター]
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[DATA]
▽日時:2016年12月1日(木)・2日(金) 両日とも10:30 - 12:00、及び13:30 - 16:45
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:金井良太先生 ((株)アラヤブレインイメージング・代表取締役CEO)
▽参加費:無料
▽対象:研究者・学生
▽参加人数:117名

           

「こころの未来研究センター 認知科学セミナー」を開催しました

 2016年9月15日、「京都大学こころの未来研究センター 認知科学セミナー」を稲盛財団記念館3階中会議室にて開催しました。講師にイギリス・ヨーク大学心理学部の出馬圭世先生をお迎えし、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の企画進行により行われました。


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 セミナーは、「Neural decoding of social attitudes: How can neuroimaging methods contribute to psychological research?」という演題にて、社会神経科学の分野を牽引する出馬先生により機能的磁気共鳴画像法(fMRI)とmulti-voxel pattern analysis(MVPA)を用いた最新の研究成果が紹介されました。京都大学の学生、研究者に加えて学外からも参加者が集まり、講演後には活発な質疑応答がおこなわれました。


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[開催ポスター]
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[DATA]
京都大学こころの未来研究センター 認知科学セミナー
講演者:出馬圭世 (University of York:Department of Psychology, Lecturer)
演題:Neural decoding of social attitudes: How can neuroimaging methods contribute to psychological research?
▽ 日時:2016年9月15日(木)16:30~18:00 
▽ 場所:稲盛財団記念館3階中会議室
▽ 対象:研究者・学生
▽ 参加者数: 約40名

           

fMRI体験セミナー2016 を開催しました

 2016年8月30日、31日の両日、「fMRI体験セミナー2016」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を、センターのMRI実験室を用いて実際に体験・学習してもらうために実施しています。4度目となった2016年は、教育学研究科、文学研究科、人間環境学研究科、医学研究科などから外国人留学生を含む12名が参加しました。


 講師は今年も阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、柳澤邦昭助教、浅野孝平研究員が企画運営、レクチャーおよび実験指導を担当。はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要についてレクチャーがあり、次に、参加者がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。左右の手の運動課題によって、脳のどの領域に活動が生じているかの分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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<参加者の感想> ※アンケートより一部抜粋


・実際に自らが参加者として脳データをとり、それを分析することで実験の流れや分析対象を明確にすることができたのが大変参考になった。
・fMRIを体験し、一連のデータ取得と画像解析まで体験でき、これまで漠然と抱いていたfMRIに対するイメージがとてもクリアになりました。
・少人数だったこともあり、色々な疑問点や具体的に知りたかった内容について話が聞けました。
・認知的な実験にのみ使われているかと思っていたので、社会心理学的分野にも用いられていると知って興味深かった。臨床心理分野でも活用できないか考えたいと思う。
・自分の脳活動や構造画像が見えたのはとても面白かったです。同時間帯の参加者数や長さがちょうど良かったです。


[開催ポスター]
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[DATA]
「fMRI体験セミナー2016」
▽日時:2016年8月30日(火)、31日(水)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、柳澤邦昭(こころの未来研究センター・特定助教)、浅野孝平(こころの未来研究センター・特定研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:12人(各日6人)


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

           

福岡県立明善高校の生徒さんがセンターを訪問し、吉岡教授、阿部准教授らのレクチャーを受講しました

 2016年8月3日、福岡県久留米市の福岡県立明善高校の生徒さんがこころの未来研究センターを訪問し、吉岡洋教授と阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)のレクチャーを受け、センター連携MRI研究施設を見学しました。文部科学省SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その活動の一環として関西研修に訪れた同校の訪問は4度目で、訪問生徒数は62名と、前年の倍になりました。


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 はじめに吉川左紀子センター長が歓迎の挨拶をおこない、センターの特徴や「こころ(Kokoro)」という言葉を含んだ研究所名になったエピソード、研究者らの取り組みを紹介しました。その後、2つの班に分かれた生徒さんたちは、大会議室と連携MRI研究施設のそれぞれでレクチャーを受講しました。


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 大会議室でおこなわれた吉岡洋教授のレクチャー「高校生のための美学入門」は、美学という高校生にとって(一般の人にとっても、ですが)馴染みの薄い学問について、歴史的エピソードや知見をまじえながら、科学、哲学のルーツやそれらとの関係性を紐解く形で解説されました。50分間という短い時間ではありましたが、サイエンスを大きな視野で見つめることの意義に触れる時間となりました。なお、本講義についてより詳しい内容が、吉岡教授の個人ブログに掲載されています。ぜひそちらもご覧ください。
こちら→ 高校生のための美学入門 2016


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 センター連携MRI研究施設でおこなわれた阿部准教授のレクチャーは、fMRIの基礎的な知識や発展の歴史、MRI設備を用いて研究する際に注意すべき点、施設内の設備の説明など、動画や写真を多数示しながら進められました。その後、実際にfMRIを用いた実験がおこなわれ、生徒さんたちは隣室からガラス越しに見学し、終始、興味深い様子で立ち会っていました。

           

阿部准教授、中井研究員の共著論文が『Neuroimage』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、中井隆介研究員らの論文 "Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation" が、学術誌『Neuroimage』Vol.133(June 2016)に掲載されました。


1607abe_nakai.pngKajimura S, Kochiyama T, Nakai R, Abe N, Nomura M (2016)
Causal relationship between effective connectivity within the default mode network and mind-wandering regulation and facilitation
Neuroimage 133: 21-30
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811916002056 ※認証有り


○論文の概要
 先行研究より,非侵襲脳刺激法の一つである経頭蓋直流刺激法を用いて,注意散漫をもたらすマインドワンダリング(思考のさまよい)を低減可能であることが示されていました(Kajimura & Nomura, 2015)。本研究ではfMRIを用いることで,それがデフォルトモードネットワークと呼ばれるヒト脳の中核的ネットワークを調節することによって生じる可能性を示しました。本成果は,デフォルトモードネットワークの機能理解に貢献するのみならず,非侵襲脳刺激法による注意散漫状態の低減といった臨床応用につながる神経科学的根拠を提供するものです。なお,この研究はこころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いて行われました。


○Abstract
Transcranial direct current stimulation (tDCS) can modulate mind wandering, which is a shift in the contents of thought away from an ongoing task and/or from events in the external environment to self-generated thoughts and feelings. Although modulation of the mind-wandering propensity is thought to be associated with neural alterations of the lateral prefrontal cortex (LPFC) and regions in the default mode network (DMN), the precise neural mechanisms remain unknown. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), we investigated the causal relationships among tDCS (one electrode placed over the right IPL, which is a core region of the DMN, and another placed over the left LPFC), stimulation-induced directed connection alterations within the DMN, and modulation of the mind-wandering propensity. At the behavioral level, anodal tDCS on the right IPL (with cathodal tDCS on the left LPFC) reduced mind wandering compared to the reversed stimulation. At the neural level, the anodal tDCS on the right IPL decreased the afferent connections of the posterior cingulate cortex (PCC) from the right IPL and the medial prefrontal cortex (mPFC). Furthermore, mediation analysis revealed that the changes in the connections from the right IPL and mPFC correlated with the facilitation and inhibition of mind wandering, respectively. These effects are the result of the heterogeneous function of effective connectivity: the connection from the right IPL to the PCC inhibits mind wandering, whereas the connection from the mPFC to the PCC facilitates mind wandering. The present study is the first to demonstrate the neural mechanisms underlying tDCS modulation of mind-wandering propensity.

           

阿部准教授の論文が『Neuroscience』に掲載されました

1605abe_neuroscience.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と、2014年度までこころの未来研究センターに日本学術振興会特別研究員として在籍していた伊藤文人東北福祉大学特任講師らの執筆した論文が、学術誌『Neuroscience』Vol.328 に掲載されました。


 本研究は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、老若男女様々な人物の顔に対する価値判断の神経基盤を調べた研究です。腹内側前頭前野と呼ばれる報酬の処理に関わる領域の活動が、男性参加者と女性参加者では異なっており、男性では顔の性別や世代の違いを顕著に反映することが明らかとなりました。


Ito A, Fujii T, Abe N, Kawasaki I, Hayashi A, Ueno A, Yoshida K, Sakai S, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2016)
Gender differences in ventromedial prefrontal cortex activity associated with valuation of faces
Neuroscience 328: 194-200

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306452216301324 ※認証有り


○Abstract

Psychological studies have indicated that males exhibit stronger preferences for physical attributes in the opposite gender, such as facial attractiveness, than females. However, whether gender differences in mate preference originate from differential brain activity remains unclear. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), we investigated the patterns of brain activity in the ventromedial prefrontal cortex (vmPFC), a region critical for the valuation of faces, in response to elderly male, elderly female, young male, and young female faces. During fMRI, male and female subjects were presented with a face and asked to rate its pleasantness. Following fMRI, the subjects were presented with pairs of faces and asked to select the face that they preferred. We analyzed the vmPFC activity during the pleasantness-rating task according to the gender of the face stimulus (male and female) and the age of the face stimulus (elderly and young). Consistent with the results of previous studies, the vmPFC activity parametrically coded the subjective value of faces. Importantly, the vmPFC activity was sensitive to physical attributes, such as the youthfulness and gender of the faces, only in the male subjects. These findings provide a possible neural explanation for gender differences in mate preference.

           

阿部准教授の論文が『Experimental Brain Research』に掲載されました

1603abe_EBR.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文が、『Experimental Brain Research』に掲載されました。
 ヒトを対象としたエピソード記憶の研究では、source memory とよばれる情報源の記憶(例:ある話を誰から聞いたか)についての研究が盛んにおこなわれてきました。近年では destination memory とよばれる伝達先の記憶(例:ある情報を誰に話したか)についての研究もおこなわれるようになり、両者の異同について議論がなされています。
 今回の fMRI を用いた研究では、destination memory の神経基盤にアプローチし、内側側頭葉と destination memory との関連を明らかにしました。


Mugikura S, Abe N, Ito A, Kawasaki I, Ueno A, Takahashi S, Fujii T (2016)
Medial temporal lobe activity associated with the successful retrieval of destination memory
Experimental Brain Research 234: 95-104
http://link.springer.com/article/10.1007/s00221-015-4415-5 ※認証有り


○Abstract
Destination memory is the process of remembering to whom we tell particular things. Although recent behavioral studies have clarified the cognitive nature of destination memory, the neural mechanisms underlying destination memory retrieval remain unclear. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to determine whether the medial temporal lobe (MTL), a structure that has been implicated in recollection-based memory, is activated during the successful retrieval of destination information. During a study phase before fMRI scanning, the subjects told a series of facts to either a woman or a man. During fMRI scanning, the subjects were asked to judge whether each fact presented was old or new, and if they judged it as old, to indicate, including a confidence rating (high or low), whether the subjects had told that fact to either a man or a woman. We found that successful destination retrieval, when compared to failed destination retrieval, was associated with increased activity in the parahippocampal gyrus. We also found that the confidence level (high vs. low) for destination memory retrieval was associated with increased activity in another (posterior) region of the parahippocampal gyrus. The present study suggests that the successful retrieval of destination information depends highly on MTL-mediated recollection processes.

           

中井研究員、阿部准教授の論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載されました

1603nakai_FRN.png 中井隆介研究員、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らの論文が『Psychiatry Research: Neuroimaging』に掲載されました。
 社会不安障害は、他者からの否定的な評価に対する極度の不安と恐怖を症状の一つとし、脳機能の異常との関連が示されています。一方で、社会不安障害は非臨床群−臨床群のスペクトラム性が示唆されているにもかかわらず、非臨床群における傾向と脳機能との関連については未だ不明でした。そこで本研究では、非臨床群における「他者からの否定的な評価に対する恐怖尺度(FNES)」を主とした心理学的尺度得点と脳機能(機能的結合,グラフ解析指標)との関連について検討しました。その結果、FNES得点と海馬傍回/眼窩前頭皮質の機能的結合および右頭頂葉の情報伝達経路としての関与の程度を示す指標とが負の相関を示すことが明らかとなりました。これらの領域は臨床群においても異常が見られることから、本研究結果は社会不安障害がスペクトラム障害であることを支持するとともに、FNESが社会不安スペクトラムの検出に有用である可能性を示しています。


Kajimura S, Kochiyama T, Nakai R, Abe N, Nomura M (2015)
Fear of negative evaluation is associated with altered brain function in nonclinical subjects
Psychiatry Research: Neuroimaging 234 (3): 362-368
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925492715301177 ※認証有り


○Abstract
Social anxiety disorder (SAD), which involves excessive anxiety and fear of negative evaluation, is accompanied by abnormalities in brain function. While social anxiety appears to be represented on a spectrum ranging from nonclinical behavior to clinical manifestation, neural alteration in nonclinical populations remains unclear. This study examined the relationship between psychological measures of social anxiety, mainly using the Fear of Negative Evaluation Scale (FNES), and brain function (functional connectivity, degree centrality, and regional betweenness centrality). Results showed that FNES scores and functional connectivity of the parahippocampal gyrus and orbitofrontal cortex and the betweenness centrality of the right parietal cortex were negatively correlated. These regions are altered in SAD patients, and each is associated with social cognition and emotional processing. The results supported the perspective that social anxiety occurs on a spectrum and indicated that the FNES is a useful means of detecting neural alterations that may relate to the social anxiety spectrum. In addition, the findings indicated that graph analysis was useful in investigating the neural underpinnings of SAD in addition to other psychiatric symptoms.

           

柳澤助教、阿部准教授の論文が『Journal of Experimental Psychology: General』に掲載されました

1603yanagisawa_JEP.png 柳澤邦昭助教、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らの論文が『Journal of Experimental Psychology: General』に掲載されました。
 本研究は、自尊感情の高さによる死関連刺激に対する認知・情動処理の違いと、死の脅威に対する防衛的反応の違いを報告した研究です。自尊感情の低い人に比べ、自尊感情の高い人では、死関連刺激を処理する際に、情動の認知的制御に関わる右腹外側前頭前野と扁桃体が効果的に相互作用していることが明らかとなりました。加えて、自尊感情の低い人は、死への脅威に対する防衛的反応を示しやすいことが明らかとなりました。なお、この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


Yanagisawa K, Abe N, Kashima ES, Nomura M (2016)
Self-esteem modulates amygdala-VLPFC connectivity in response to mortality threats
Journal of Experimental Psychology: General 145 (3): 273-283
http://psycnet.apa.org/journals/xge/145/3/273/


○Abstract
Reminders of death often elicit defensive responses in individuals, especially among those with low self-esteem. Although empirical evidence indicates that self-esteem serves as a buffer against mortality threats, the precise neural mechanism underlying this effect remains unknown. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to test the hypothesis that self-esteem modulates neural responses to death-related stimuli, especially functional connectivity within the limbic-frontal circuitry, thereby affecting subsequent defensive reactions. As predicted, individuals with high self-esteem subjected to a mortality threat exhibited increased amygdala-ventrolateral prefrontal cortex (VLPFC) connectivity during the processing of death-related stimuli compared with individuals who have low self-esteem. Further analysis revealed that stronger functional connectivity between the amygdala and the VLPFC predicted a subsequent decline in responding defensively to those who threaten one's beliefs. These results suggest that the amygdala-VLPFC interaction, which is modulated by self-esteem, can reduce the defensiveness caused by death-related stimuli, thereby providing a neural explanation for why individuals with high self-esteem exhibit less defensive reactions to mortality threats. (PsycINFO Database Record (c) 2016 APA, all rights reserved)

           

阿部准教授がNPO法人ニューロクリアティブ研究会・創造性研究奨励賞を受賞しました

IMG_8328.JPG 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が、NPO法人ニューロクリアティブ研究会の2015年度研究者支援「創造性研究奨励賞」2等を受賞しました。
 同賞は、「脳と創造性に関する研究」ならびに「創造的人材の育成」 を目的とし、研究者および開発者の支援をおこなう活動の一環で設けられたもので、2015年度は、「研究者支援」(創造性研究奨励賞) と 「開発者支援」 (開発研究奨励賞)の2部門で募集がありました。阿部准教授の研究テーマ「道徳的意思決定に与える創造性の影響-認知神経科学的研究-」は、「創造性」に関する脳科学的エビデンスの解明、または創造性技法の活用を目指した開発研究として、「研究者支援」(創造性研究奨励賞)の部門で2等を受賞しました。
 なお、授賞式は2016年3月14日に東京でおこなわれる同NPO法人による「第17回NCLセミナー『創造する脳~いのちの始まりの脳科学』」にて開催されます。


○阿部修士准教授のコメント

「自分の研究を評価していただけて、大変嬉しく、光栄に思います。賞の名に恥じぬよう、クリエイティブなこころを持ち合わせて研究を続けたいと思います。」


[受賞DATA]
2015年度 研究者支援「創造性研究奨励賞」
NPO 法人 ニューロクリアティブ研究会(NeuroCreative Lab)
http://www.neurocreative.org/jp/?page_id=1285
研究テーマ:「道徳的意思決定に与える創造性の影響-認知神経科学的研究-」


           

脳科学集中レクチャー2015「こころを創発する脳と身体」を開催しました

 こころの未来 脳科学集中レクチャー2015「こころを創発する脳と身体」を、2015年12月24日・25の2日間、大平英樹先生(名古屋大学大学院環境学研究科 教授)を講師にお迎えし、阿部修士准教授の企画・進行により稲盛財団記念館大会議室で開催しました。認知神経科学、生理心理学を専門とし、人間の認知・感情過程や行動を解明するための研究を進めておられる大平先生から最新の研究成果と知見をご紹介いただきました。


 2日間に渡る集中講義では、主に身体性を重視する立場から、脳と自律神経系・内分泌系・免疫系がどのように相互作用して、感情や意思決定に影響を与えるのかを、わかりやすく講義して頂きました。ご本人の研究を超えた様々な興味・関心にも話が及び、受講者にとっては刺激的な2日間になったようです。


○参加者の感想
・刺激的な内容で大変勉強になりました。今後の研究に大きなヒントが得られた気がします。
・脳の動きから現象学的に心へのアプローチをするということが新鮮で、とても面白かったです。とくに、「共感・受容」といった目に見えないもののみにとらわれていた自分にとって、目に見えるものから人の心を見ることも大切なのだと再確認させられ、もっと勉強しなくてはと思いました。
・大平先生のお話は、脳と身体の相関を軸にしながら、様々な切り口ネタを織り交ぜながら展開され、非常に興味深くおもしろかったです。幅広く深い先生の体験、人脈、ご自身の研究、科学史の洞察など、各トピックスを支えているからでしょうか。大変感銘をうけました。
・感情や意思決定について、行動や脳だけでなく、内受容感覚、自律神経(心拍変動)、あるいは内分泌・免疫系との関連から捉える、というところが新鮮でした。また、行動を説明するためのメカニズムに関する先生の仮説は非常に興味深く聞かせていただきました。
・具体的な知見だけでなく、学生へのメッセージもあり刺激的でした。


< 報告:阿部修士こころの未来研究センター(上廣こころ学研究部門)准教授 >


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[開催ポスター]
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[DATA]
こころの未来 脳科学集中レクチャー2015「こころを創発する脳と身体」
▽日時:2015年12月24日(木)・25日(金)両日とも10:30 - 12:00、及び13:30 - 16:45
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 アクセス
▽講師:大平英樹先生(名古屋大学大学院環境学研究科・教授)
▽参加費:無料
▽対象:研究者・学生
▽参加人数:101名

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2015年

           

群馬県立太田東高校の生徒さん20名がセンターを訪問しました

 2015年12月14日、群馬県立太田東高校の生徒さんがセンターを訪問し、鎌田東二教授のレクチャーならびに阿部修士准教授によるレクチャーを受講し、センター連携MRI施設における実験見学をおこないました。


 訪問したのは同校一年生から選抜された20名の生徒さんで、文部科学省「平成26年度高等学校普通科におけるキャリア教育の実践に関する調査研究」の一環で、将来の進路を検討する手がかりとしてセンターを訪問しました。当日、鎌田教授からはこころの未来研究センターの研究活動の紹介や、教授が専門とする民俗学、宗教学の研究について、ジブリ映画を題材に文化的、歴史的考察をおこなうレクチャーがあり、高校生のみなさんは、時に笑い声をあげながら、教授に質問を投げかけながら熱心に聴講していました。
 続いて、センター連携MRI研究施設に移動し、阿部修士准教授から認知神経科学の研究がどのようなものか、MRIの歴史や基礎をまじえたレクチャーを受けた後、実際にMRIを用いた実験を見学しました。ほとんどの生徒さんが初めてMRI施設に足を踏み入れたということで、興味深い様子でガラス越しに実験風景を見つめていました。


 センターでは、今後もさまざまな形で研究成果や知見を社会に発信し、次世代と大学をつなぐ取り組みをおこなって参ります。


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[DATA]
日時:2015年12月14日
訪問校名:群馬県立太田東高等学校(一年生20名、教諭2名)
9:00 レクチャー1:鎌田東二教授
(センター全体のご紹介、研究の紹介)
センター連携MRI施設へ移動
10:15 レクチャー2:阿部修士准教授
(連携MRI研究施設での研究紹介、実験見学)

           

fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析基礎編+SPM豆知識」を開催しました

 2015年12月3日・4日の2日間、fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析基礎編+SPM豆知識」を稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。講師には、河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions、脳活動イメージングセンタ)をお迎えしました。
 本セミナーは、2日間に渡る講義と実習を通じてfMRIにおける領域間解析のスキル獲得を目的に、阿部修士准教授が企画・進行をおこなっており、今回で3度目となります。理論と知識を講義で学び、実践的な解析について河内山先生からのアドバイスを受けながら実習で経験できる講義として毎回好評のセミナーです。今回は主に初心者~中級者程度を対象とし、脳領域間のネットワークを解析するための手法や、画像解析のスタンダードなソフトであるSPMの豆知識について、講義と実習をおこなって頂きました。


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○参加者の感想
・大変密度の高いセミナーで、基本的な事柄から、発展的な内容まで学ぶことができ、参加して本当によかった。
・PPIの全体像が理解できただけではなく、普段どうすればいいかわからなかった点を色々と知ることができた。作業効率がぐっとあがりそうです。
・実験上、必要になりそうなあらゆるケースが想定されていたので、非常に実用性の高い内容だった。
・河内山先生のレクチャーは、高度な理論から、かゆいところに手が届く豆知識まで、いつもながら感心しています。今後もリ ピータとして参加させていただきたいです。
・講義内容がとてもわかりやすくて、実習にもいつもより時間が あったため、うまくできてよかったと思います。今回の講義でSPM基礎におけるたくさんの豆知識を教えていただいて非常に役に立ちます。
・講義を通じて普段やっていることの意味が改めてわかったのがよかった。Atlas等、普段のSPMにはないものまで教えていただけてよかった。


[開催ポスター]
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[DATA]
fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析基礎編+SPM豆知識」
▽日時:2015年12月3日(木)・4日(金)両日とも10:00 - 12:00、及び13:30 - 17:00
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:河内山隆紀(株式会社ATR-Promotions, 脳活動イメージングセンタ)、企画・進行:阿部修士
▽参加者数:37名
主催:京都大学こころの未来研究センター

           

阿部准教授、大塚研究員、中井研究員、吉川教授らの共著論文が『Frontiers in Aging Neuroscience』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、大塚結喜研究員、中井隆介研究員、吉川左紀子教授らによる共著論文が『Frontiers in Aging Neuroscience』(published: 29 September 2015) に掲載されました。


 高齢者を対象として、運動機能と認知機能の関係性について、fMRIを用いて調べた研究です。目標志向的な歩行が遅い高齢者では、速い高齢者と比べて、視覚ワーキングメモリ中の小脳や大脳基底核の活動が低下し、前頭前野の活動が上昇していることを報告しました。この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


 論文は全文をウェブで読むことができます。下記の画像もしくはリンクにアクセスしてお読みください。


Kawagoe T, Suzuki M, Nishiguchi S, Abe N, Otsuka Y, Nakai R, Yamada M, Yoshikawa S, Sekiyama K (2015)
Brain activation during visual working memory correlates with behavioral mobility performance in older adults
Frontiers in Aging Neuroscience 7: 186


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Brain activation during visual working memory correlates with behavioral mobility performance in older adults | Frontiers in Aging Neuroscience

           

fMRI体験セミナー2015 を開催しました

1509fmri.png 2015年9月1日、2日の両日、「fMRI体験セミナー2015」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を、センターのMRI実験室を用いて実際に体験・学習してもらうために実施しています。3度目を迎えた2015年は、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、柳澤邦昭助教、浅野孝平研究員が企画運営、レクチャーおよび実験指導を担当。今年も教育学研究科、文学研究科、人間環境学研究科、総合生存学館、高等教育研究開発推進センターなどから両日合わせて12名が参加しました。


 はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要について説明を受け、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。MRI装置の中では、右手の運動と左手の運動をおこなう課題を体験。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。運動課題によって脳のどの領域に活動が生じているかを実際に見て分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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<参加者の感想> ※アンケートより一部抜粋


・実験でMRIに入ったのは初めてだったので、今後の実験デザインを考える上でも参考になりました。また。先生方から様々なお話を伺え、その場で解析もしていただけたので、イメージもわきました。
・装置の中に実際に入ることができ、被験者の気持ちが少し分かってよかったです(実際に実験を組む時の参考になります)。
・内容が充実していました。体験、講義、ディスカッションのバランスが良かったです。
・初めて自分の脳を見て、とても感動しました。(略)ますます脳への関心が高まり、脳科学の分野の先生方のお話もきくことができたので、素晴らしい機会になりました。
・異分野の研究について勉強できました。


[DATA]
「fMRI体験セミナー2015」
▽日時:2015年9月1日(火)、2日(水)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、柳澤邦昭(こころの未来研究センター・特定助教)、浅野孝平(こころの未来研究センター・特定研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:1日・6人、2日・6人


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

           

阿部准教授が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上・下)』(ジョシュア・グリーン著)が出版されました

1509abe_moral.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が解説を執筆した『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ (上・下)』(ジョシュア・グリーン 著/竹田円 訳)が、岩波書店より出版されました。


 阿部准教授は2010年から12年にかけて、著者のハーバード大学心理学科教授のグリーン氏のもとで研究し、その成果をまとめた論文が2014年、『Journal of Neuroscience』に掲載されました。本書は、日本でも話題となったサンデル(ハーバード大教授)の「正義」に関する一連のレクチャーで登場した道徳ジレンマ、「トロッコ問題」などをいちはやく神経科学と結びつけ、人間の道徳判断の本質解明に挑んだ新たな道徳哲学の本です。


 出版社の許可を得て、阿部准教授の解説文(PDF)を掲載します。また、出版社の書籍ページでは、上下巻それぞれの一部を読むことができます。下記リンク先にアクセスしてお読みください。


<内容紹介>


これが,道徳の正体だ. では, どうすればいい?

 税制,福祉,中絶,死刑,同性婚,環境規制......何が正義か,誰がどんな権利をもつかをめぐって現代社会は引き裂かれる.人々が自分の考えを心の底から正しいと信じて争うとき,対立を解決する方法はあるのか.今こそ生物学,心理学,哲学,社会科学の知見を統合し,道徳とは何かを徹底的に理解しよう.そこから人類すべてが共有できる普遍的な道徳哲学が生まれる.


<目 次>


【上巻】
序章 常識的道徳の悲劇
第一部 道徳の問題
第1章 コモンズの悲劇
第2章 道徳マシン
第3章 あらたな牧草地の不和
第二部 速い道徳,遅い道徳
第4章 トロッコ学
第5章 効率性,柔軟性,二重過程脳
第三部 共通通貨
第6章 すばらしいアイデア
第7章 共通通貨を求めて
第8章 共通通貨の発見
原注/索引


【下巻】
第四部 道徳の断罪
第9章 警戒心を呼び覚ます行為
第10章 正義と公正
第五部 道徳の解決
第11章 深遠な実用主義
第12章 オートフォーカスの道徳を超えて
著者より/謝辞/解説(阿部修士)
書誌/原注/索引


<解説>
阿部修士(京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門)


 これまでの本とは一線を画する、新たな道徳哲学の本がついに翻訳・出版された。著者のジョシュア・グリーン氏は、若くしてハーバード大学心理学科の教授となった新進気鋭の研究者である。彼は21世紀初頭に、「少数の命を犠牲にしてでも多数の命を救うべきか?」といった人間の道徳判断に関わる脳のメカニズムを、世界に先駆けて報告し、一躍時の人となった。彼の研究は心理学と神経科学、そして道徳哲学を独創的に融合させたものであり、今なお世界中の多くの研究者に多大な影響を与え続けている。本書は彼のこれまでの研究の集大成であり、極めて野心的かつユニークに、科学的な知見-とりわけ心理学や神経科学といった、人間のこころと脳のはたらきに関する最新の知見を織り交ぜながら、道徳哲学を議論する珠玉の一冊である。


「解説」続きを読む(PDF)


『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(上)』岩波書店
『モラル・トライブズ―― 共存の道徳哲学へ(下)』岩波書店

 

           

吉川教授、阿部准教授、大塚研究員、中井研究員らの共著論文が『Journal of the American Geriatrics Society』に掲載されました

1508AGS.png 吉川左紀子教授、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、大塚結喜研究員、中井隆介研究員らの共著論文が、『Journal of the American Geriatrics Society』Vol.63 Issue 7 (2015 Jul) に掲載されました。


 本研究は、高齢者を対象として12週間の運動介入を実施することで、認知機能の改善、および認知課題遂行中の脳活動の変化がみとめられたことを報告した論文です。この研究は、こころの未来研究センター連携MRI研究施設のMRIを用いておこなわれました。


Nishiguchi S, Yamada M, Tanigawa T, Sekiyama K, Kawagoe T, Suzuki M, Yoshikawa S, Abe N, Otsuka Y, Nakai R, Aoyama T, Tsuboyama T (2015). A 12-week physical and cognitive exercise program can improve cognitive function and neural efficiency in community-dwelling older adults: a randomized controlled trial. Journal of the American Geriatrics Society 63 (7): 1355-1363


○Abstract
Objectives To investigate whether a 12-week physical and cognitive exercise program can improve cognitive function and brain activation efficiency in community-dwelling older adults.
Design Randomized controlled trial.
Setting Kyoto, Japan.
Participants Community-dwelling older adults (N = 48) were randomized into an exercise group (n = 24) and a control group (n = 24).
Intervention Exercise group participants received a weekly dual task-based multimodal exercise class in combination with pedometer-based daily walking exercise during the 12-week intervention phase. Control group participants did not receive any intervention and were instructed to spend their time as usual during the intervention phase.
Measurements The outcome measures were global cognitive function, memory function, executive function, and brain activation (measured using functional magnetic resonance imaging) associated with visual short-term memory.
Results Exercise group participants had significantly greater postintervention improvement in memory and executive functions than the control group (P < .05). In addition, after the intervention, less activation was found in several brain regions associated with visual short-term memory, including the prefrontal cortex, in the exercise group (P < .001, uncorrected).
Conclusion A 12-week physical and cognitive exercise program can improve the efficiency of brain activation during cognitive tasks in older adults, which is associated with improvements in memory and executive function.

           

福岡県立明善高校の生徒さんがセンターを訪問し、MRI施設の見学などをおこないました

 2015年8月4日、福岡県久留米市の福岡県立明善高校の生徒さん31名がこころの未来研究センターを訪問し、鎌田東二教授と阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)のレクチャーを受け、センター連携MRI研究施設を見学しました。文部科学省SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その活動の一環として関西研修に訪れた同校の訪問は、昨年、一昨年に続き3度目となり、過去最多の人数で来訪されました。


 はじめに一行は、センター連携MRI研究施設に到着し、認知神経科学が専門の阿部准教授のレクチャーを受けました。阿部准教授は、fMRIの基礎的な知識や発展の歴史、MRI設備を用いて研究する際に注意すべき点、施設内の設備の説明など、動画や写真を多数示しながら紹介しました。その後、柳澤邦昭助教が実際に被験者となり、fMRIを用いた簡単な実験をおこない、生徒さんたちは隣室から実験の様子を見学。質疑応答では、「fMRIによる実験は子どもも被験者になれますか?」「先生はいまfMRIを使ってどんな研究をしているのですか?」といったやりとりがあり、最後まで施設内を熱心に眺める姿が印象的でした。


 続いて、こころの未来研究センター本館のある稲盛財団記念館へ移動し、大会議室にて鎌田教授がレクチャーをおこないました。比叡山に向かって颯爽と法螺貝を吹く鎌田教授の姿に生徒さんたちは釘付けに。講義では、新旧のジブリ映画の描き方について、時代、思想、宗教観などさまざまな要素で比較するなど、具体的で分かりやすい題材を用いて、宗教学、民俗学がどのような学問であるか、解説がありました。理系や文系の枠にとらわれず、分野横断的に研究が進んでいるセンターの特徴にふれた高校生のみなさんは、「初めて知る内容でした」「進路を考える参考になりました」など、感想を話していました。


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福岡県立明善高校ウェブサイト

           

阿部准教授の論文が『Human Brain Mapping』に掲載されました

1507abe_human.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と、2014年度までこころの未来研究センターに日本学術振興会特別研究員として在籍していた伊藤文人東北福祉大学特任講師らの執筆した論文が、学術誌『Human Brain Mapping』Vol.36 に掲載されました。


 本研究は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、人間が意識的に知覚することのできない「閾下刺激」に対する価値判断の神経基盤を調べた研究です。閾下刺激であっても、後に選好される刺激に対しては、特異的な脳活動が生じることが明らかとなりました。



Ito A, Abe N, Kawachi Y, Kawasaki I, Ueno A, Yoshida K, Sakai S, Matsue Y, Fujii T. Distinct neural correlates of the preference-related valuation of supraliminally and subliminally presented faces. Human Brain Mapping 36: 2865-2877 (2015)


○Abstract
Recent neuroimaging studies have investigated the neural substrates involved in the valuation of supraliminally presented targets and the subsequent preference decisions. However, the neural mechanisms of the valuation of subliminally presented targets, which can guide subsequent preference decisions, remain to be explored. In the present study, we determined whether the neural systems associated with the valuation of supraliminally presented faces are involved in the valuation of subliminally presented faces. The subjects were supraliminally and subliminally presented with faces during functional magnetic resonance imaging (fMRI). Following fMRI, the subjects were presented with pairs of faces and were asked to choose which face they preferred. We analyzed brain activation by back-sorting the fMRI data according to the subjects' choices. The present study yielded two main findings. First, the ventral striatum and the ventromedial prefrontal cortex predict preferences only for supraliminally presented faces. Second, the dorsomedial prefrontal cortex may predict preferences for subliminally presented faces. These findings indicate that neural correlates of the preference-related valuation of faces are dissociable, contingent upon whether the subjects consciously perceive the faces.


           

阿部准教授のインタビュー「嘘の研究 脳科学で挑む」が産経新聞に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)のインタビュー「嘘の研究 脳科学で挑む」が、2015年7月6日付の産経新聞(京阪奈・京市内版)に掲載されました。「脳科学の観点から人間が嘘をつくメカニズムの解明に取り組む研究者」として、阿部准教授が現在の仕事を志すまでのいきさつや研究への思い、今後の豊富について語っています。


1507abe_sankei.png「嘘の研究 脳科学で挑む」京都大准教授 阿部修士さん(34)


 良くないと分かっていながら、誰しも無縁でいられないのが「嘘」。脳科学の観点から人間が嘘をつくメカニズムの解明に取り組む研究者がいると聞いて、京都大こころの未来研究センターを訪ねた。
 「嘘には、認知や記憶、感情など人間のあらゆる心の働きが含まれている。嘘について研究することで、人間の心のあり方を理解できるのではないか、と思っています」(中略)
 嘘のメカニズムに脳科学からアプローチする研究はまだ少ないが、それを解明することで教育や法律といった社会制度の改善にも役立つと考えている。
 これまでの経験から、研究においては学問分野をまたぐことに抵抗を感じる必要はないというのが持論。今後、環境や文化との関連、加齢による影響など、多角的に嘘の研究を進めていくという。


(記事より)

 

           

阿部准教授らのグループが第17回日本ヒト脳機能マッピング学会で若手奨励賞を受賞しました

1507mapping.png 2015年7月2日・3日に大阪・毎日新聞オーバルホールで開催された「第17回日本ヒト脳機能マッピング学会」において、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)らのグループによるポスター発表(筆頭発表者:上田竜平京都大学文学研究科修士課程2回生、こころの未来研究センターオフィスアシスタント)が「若手奨励賞」を受賞しました。


【受賞した演題】
前頭前野・報酬系の活動が「無分別な恋愛行動」の個人差を説明する
上田竜平、蘆田宏、阿部修士


 若手奨励賞は、同学会で発表された演題の中から35歳以下の筆頭発表者による優秀な抄録に対して贈られる賞です。研究では、すでに特定の個人と交際している異性に対しても交際してみたいと感じる「無分別な恋愛行動」の個人差が、行動の抑制に関わる「前頭前野」と、報酬情報の処理に関わる「眼窩前頭皮質」という2つの領域における脳活動の個人差によって説明できる可能性が示されました。


 筆頭発表者の上田さんは、「大変光栄に思い、これからの研究生活の励みになります。今後は『我々ヒトが恋愛場面でどのように意思決定をしているか』という大きな問題を、さらに詳細に明らかにしていきたいと考えています」と、コメントしています。なお、本研究は、おもにこころの未来研究センター連携MRI研究施設のfMRI装置を利用して進められました。


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上田竜平さん(京大文学研究科修士2回)

           

阿部准教授が解説した記事が『読売中高生新聞』に掲載されました

1506abe_yomiuri.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が解説を寄せた記事が、『読売中高生新聞』2015年5月29日号の特集「文系、理系って何?」に掲載されました。


 『読売中高生新聞』は、読売新聞が発行する中学生、高校生向けの新聞です。阿部准教授は、巻頭特集「文系、理系って何?」という記事において、「文系脳、理系脳はある?」「女子は数学が苦手?」というふたつの問いに対し、脳のメカニズムを紹介しながら答えています。文系脳と理系脳の違いについては、脳の左半球と右半球、それぞれに役割があるとしつつも、「論理的に考える人の左半球が発達しているかというと、そう単純ではない。(中略)勉強する時も両方の脳が働いている」など、具体例を挙げて脳の複雑さをわかりやすく解説しています。


『読売中高生新聞』最新号紹介ページ | YOMIURI ONLINE

           

阿部准教授の研究が産経新聞記事「もう一人のあなた 嘘の構図 4」で紹介されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の研究内容が、2015年4月5日付の産経新聞の連載記事「もう一人のあなた 嘘の構図 4」で紹介されました。


 「嘘をつく」という人間ならではといわれる行為に焦点を当てた連載記事第4回は、チンパンジーの研究を通して人の心の進化を探究する京大霊長類研究所の松沢哲郎教授と、認知神経科学が専門でfMRI(機能的磁気共鳴画像装置)を用いた人の正直・不正直さの研究を進める阿部准教授それぞれの研究知見をコメントと共に紹介。阿部准教授が昨年発表した「脳の側坐核の働きが活発な人ほど嘘をつく傾向が大きい」という研究成果が詳しく取り上げられました。


150405abe_sankei.pngチンパンジーは仲間をだましニヤッと笑った...
他者の心が分かる知性と表裏一体の「進化の副産物」


<嘘の個人差と脳との関係は...>


 ...人間の嘘にはどのようなメカニズムがあるのか。脳科学の観点から、そうした課題に迫る研究がある。京都大准教授の阿部修士(34)=認知神経科学=らは昨年8月、脳の特定領域の働きが活発な人ほど嘘をつく傾向が大きいとの研究成果を発表した。
 阿部らは、約30人の参加者がコインを投げ、裏が出るか表が出るかを予想。当たりなら賞金がもらえるゲームを実施した。ただし、正解したかどうかは自己申告だ。
 このとき、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で脳の働きを調べたところ、嘘をつくことによって賞金を得た人ほど、利益が得られることを期待する際に働く「側坐核(そくざかく)」という領域が活発なことが判明した。
 嘘と脳の関係を調べる研究はまだ始まったばかりだが、阿部は「嘘をつく度合いの個人差と、脳の特定領域との相関関係が明らかになったのは、世界でも初めてではないか」と語る。


(記事より)


 記事は産経新聞のウェブサイトに全文が掲載されています。下記リンクにアクセスしてお読みください。


【もう一人のあなた 嘘の構図(4)】 | 産経ニュース・産経WEST


           

大塚研究員の論文が『The Quarterly Journal of Experimental Psychology』に掲載されました

1504otsuka_article.png 大塚結喜研究員の論文「High-performers use the phonological loop less to process mental arithmetic during working memory tasks」が、2014年11月付で『The Quarterly Journal of Experimental Psychology』に掲載されました。


○論文の内容
 これまで複雑な暗算(たとえば複数桁の数字同士の繰り上がりのある足し算)では、音韻情報を短期的に保持するワーキングメモリの音韻ループと情報の操作を担うワーキングメモリの中央実行系が必要であることが知られてきました。しかし本研究で暗算成績の低い成人グループ(低成績群)と暗算成績の高い群(高成績群)を比較したところ、低成績群は音韻ループと中央実行系を使用していましたが、高成績群は中央実行系だけを利用している可能性が示されました。この結果から、中央実行系で情報をうまく操作して音韻ループでの短期保持をせずに済む方略を利用することが、暗算で高成績をあげるのに重要な可能性が示されました。(大塚結喜)



Otsuka, Y., and Osaka, N. (in press). High-performers use the phonological loop less to process mental arithmetic during working memory tasks, The Quarterly Journal of Experimental Psychology.
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17470218.2014.966728#abstract


Abstract
This study investigated the effects of three working memory components--the central executive, phonological loop, and visuospatial sketchpad--on performance differences in complex mental arithmetic between individuals. Using the dual-task method, we examined how performance during two-digit addition was affected by load on the central executive (random tapping condition), phonological loop (articulatory suppression condition), and visuospatial sketchpad (spatial tapping condition) compared to that under no load (control condition) in high- and low-performers of complex mental arithmetic in Experiment 1. Low-performers showed an increase in errors under the random tapping and articulatory suppression conditions, whereas high-performers showed an increase of errors only under the random tapping condition. In Experiment 2, we conducted similar experiments on only the high-performers but used a shorter presentation time of each number. We found the same pattern for performing complex mental arithmetic as seen in Experiment 1. These results indicate that high-performers might reduce their dependence on the phonological loop, because the central executive enables them to choose a strategy in which they use less working memory capacity.



           

阿部准教授の総説「不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム」が『Clinical Neuroscience』Vol.33 02月号に掲載されました

 神経領域を扱った医学誌『Clinical Neuroscience Vol.33 02月号』(発行:中外医学社/2015年2月)に、阿部修士准教授の総説「不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム」が掲載されました。


 「社会脳―Social Brain」がテーマとなった同誌2月号において阿部准教授は、昨年『Journal of Neuroscience』に掲載された自身の論文をはじめとするこれまでの研究成果の紹介やfMRI装置を用いた実験手法の解説をまじえながら、人間の正直さ・不正直さを生み出す脳のメカニズムに関する研究の背景と今後の展望を述べています。


1503abe_clinical_neuroscience.png-------------------------------------------------------
阿部修士 (2015)
不正直さの個人差を生み出す脳のメカニズム
Clinical Neuroscience 33 (2): 159-161 (中外医学社 東京)
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これまでの脳機能画像研究と限界点
 近年のヒトの脳の研究においては,陽電子断層撮像法 (positron emission tomography:PET)や機能的磁気共鳴 画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)といった脳機能画像法の進歩に伴い,心理学的な課題を行なっている最中の脳活動を画像化することが可能である. 21世紀に入ってからは,不正直さ,すなわち嘘の神経基盤の研究が飛躍的に増加しており,多くの研究成果が報告されている.(中略)
 しかし,これまでの嘘の神経基盤に関する研究の多くにおいては,嘘を科学的に研究する上では見過ごせない重要な問題点が残されている.それは実験に参加している被験 者が,実験者から嘘をつくよう明示的に指示されていた点にある.嘘をつくことが実験という特殊な環境で正当化さ れていれば,被験者は嘘をつくことによる緊張感もなければ,罪悪感も生じない.本来,嘘は相手にばれないように つこうとするものであり,嘘をつくことが相手にあらかじめ把握され,かつ許容されている状況では現実世界における嘘とはいえない.したがって,「真実とは異なる回答をする」という点は比較的容易に実験的検討が可能であるが, 自発的な嘘の神経基盤にアプローチするのはそれほど簡単ではない.
 こうした背景のもと,近年の研究では Greeneらが開発したユニークな実験パラダイムに基づいた研究が報告されている.筆者らは最近,彼らのパラダイムを応用した研究によって,不正直さの個人差を規定する脳のメカニズムの一端を明らかにしたので,本稿にて紹介する.


(総説より)


□関連ページ
Clinical Neuroscience Vol.33 (15年) 02月号 社会脳 ―Social Brain(中外医学社ウェブサイト)
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました(2014.8.6)

           

fMRI解析セミナー「resting-state fMRI」を開催しました

 2015年2月26日・27日の2日間、fMRI解析セミナー「resting-state fMRI」を稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。講師には、河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions、脳活動イメージングセンタ)をお迎えしました。


 本セミナーは、2日間に渡る講義と実習を通じてfMRIにおける領域間解析のスキル獲得を目的としています。今回は、安静時の脳のはたらきを調べる「resting-state fMRI」という手法についてのセミナーでした。講義では解析手法として、Seedとの相関に基づく分析法、周波数に基づく分析法、独立成分分析法(ICA)などが対象となり、豊富な資料と共に幅広い内容が網羅されました。実習では参加者それぞれが持参したPCを用いて、自ら手を動かしながら実際のデータを解析しました。前回に続いて今回も体系的な理論、知識を講義で学んだのち、実践的な解析を実習で経験できた参加者からは好評の声があがっていました。


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○参加者の感想
・分かりやすく実践的なテキスト内容で大変勉強になりました。
・内容が盛り沢山で非常に勉強になりました。Tipsや各処理の中身についての説明を豊富にして下さったので、単なる技術の習得にとどまらず解析内容も深めることができました。
・普段手を出せないSPMの手法やSPM以外のソフトウェアについて日本語で集中的に学べる大変貴重な機会だと思います。
・いつものようにすばらしいご講義、ありがとうございます。テキストが充実していて助かります。
・今まで知らなかった便利なツールを学ぶことができ、明日からの解析に役立ちそうです。テキストがすごく親切で自習できるのがうれしいです。
・今までインターネット上の情報を集め、独学で解析方法を学んでいたので、今回のセミナーを通して、これまで抱いていた疑問、つまづいていた点が解決され、非常に役に立ちました。今回学んだ知識をもとに、自己流で行った解析を再度見直したいと思います。
・勉強になりました。レクチャー&実践のスタイル、よいと思います。


[開催ポスター]
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[DATA]
fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析」
▽日時 2015年2月26日(木)・27日(金)
両日とも10:00 - 12:00、及び13:30 - 17:00
▽場所:稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:河内山隆紀(株式会社ATR-Promotions, 脳活動イメージングセンタ)
▽企画進行:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門准教授)
▽参加者数:41名

           

『螢雪時代』に阿部准教授の研究成果が掲載されました

 旺文社が発行する受験生向けの雑誌『螢雪時代』の「螢雪ジャーナル・キャンパスニュース」と、旺文社のウェブサイト「パスナビ」の情報欄に、阿部修士准教授が2014年8月に発表し、論文が『Journal of Neuroscience』に掲載された研究成果「どうして正直者と嘘つきがいるのか? ー脳活動からその原因を解明ー」が紹介されました。下記のリンク先で全文をご覧いただけます。


1411abe_keisetsu.png「なぜ正直者と嘘つきがいる? 脳活動からその原因を解明 京都大学」


 京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門阿部修士准教授たちのグループは、機能的磁気共鳴画像法と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みについて解明した。(中略)
 阿部准教授は「今回の研究では、嘘をついてしまう人と正直な人とで脳の活動パターンに違いがある可能性を明らかにした。この結果は、人間の『道徳性』を科学的に理解するための重要なステップである」と語る。今後の研究の目標は「宇宙で最も複雑な存在」とも言われる脳の仕組みと、人間の心のメカニズムの関係性を明らかにすることという。


(『螢雪時代』2014年11月号 より)


なぜ正直者と嘘つきがいる? 脳活動からその原因を解明 / ニュース | 大学受験パスナビ:旺文社


□関連情報
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

           

こころの未来 脳科学集中レクチャー2014「脳損傷からみたこころ」を開催しました

 こころの未来 脳科学集中レクチャー2014「脳損傷からみたこころ」が、2014年12月25日(木)・26日(金)の2日間、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。講師に森悦朗先生(東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学教授)をお迎えし、神経心理学の基礎から最新の脳画像研究についての知見までを網羅した内容で講義をおこなっていただきました。


 2日間に渡る集中講義では、言葉の障害である失語症や、記憶の障害である健忘症候群など、脳の損傷がもたらす心理過程の障害についての基礎知識を最新の研究成果を交えながらお話しいただきました。また、人間の脳を研究する方法として、脳損傷の患者さんを対象とした神経心理学が最も長い歴史をもつことなど、多岐にわたる研究の背景・動向などもご紹介いただきました。


 参加者アンケートには「脳そのものの基本から丁寧に話していただけたので自分の知識の整理にもなり有益だった」、「森先生の分かりやすい説明で、こわれた脳、こわれた心、脳損傷から機能障害を起こす心理過程について理解できた」、「講義が大変面白く、今後研究を進める上で大きなヒントになった」など、好評なコメントが多数寄せられました。


< 報告:阿部修士こころの未来研究センター(上廣こころ学研究部門)准教授 >


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[開催ポスター]

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[DATA]
▽日時:2014年12月25日(木)・26日(金)
両日とも10:30 - 12:00、及び13:30 - 16:45
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:森悦朗先生(東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学・教授)
▽参加費:無料
▽対象:研究者・学生
▽参加者数:73名(初日)

           

阿部准教授が読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に出演しました

1501abe_yomiuritv.png 2014年12月27日に放映された報道番組「ウェークアップ!ぷらす」(制作:読売テレビ」に阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が出演しました。


 番組では、「2014総決算!嘘つきはどろぼうのはじまり」というテーマで、昨年に世の中を賑わした事件や出来事を振り返り、それらにひそむ「嘘」をキーワードに、人がなぜ嘘をつくのか、嘘にちなんだ話題の数々が特集として取り上げられました。冒頭、阿部准教授が昨年に論文発表した「人の正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組み」を調べた研究内容が詳しく紹介され、阿部准教授のコメントと共に「側坐核(そくざかく)の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高い」といった結果が図説で紹介されました。


 番組のホームページに詳しい内容が掲載されています。下記リンク先をご覧ください。


2014総決算!嘘つきはどろぼうのはじまり|ウェークアップ!ぷらす(ytv)


□関連情報:阿部准教授の論文の発表記事と概要はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

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2014年

           

「fMRI体験セミナー2014」を開催しました

 9月29日(月)、30日(火)の2日間に渡り、「fMRI体験セミナー2014」をこころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催しました。


 本セミナーは、おもに学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を体感してもらうためにおこなっています。昨年に引き続き、企画運営、レクチャーおよび実験指導を阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)、上田祥行助教、中井隆介研究員らが担当しました。


 今年は、文学研究科、人間環境学研究科、情報学研究科、経済学研究科、医学研究科など幅広い分野から、おもに大学院生を中心に学部生や研究員の方々が参加されました。はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要について説明を受け、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。MRI装置の中では、右手の運動と左手の運動をおこなう課題を体験。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。運動課題によって脳のどの領域に活動が生じているかを実際に見て分析に挑戦し、質疑応答とディスカッションで知識を深めました。


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[開催ポスター]

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[DATA]
「fMRI体験セミナー2014」
▽日時:2014年9月29日(月)、30日(火)13:00~17:00 
▽場所:南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽参加費:無料
▽対象:京都大学に所属する大学院生。今後、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)による研究を行おうと考えている方。
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、中井隆介(こころの未来研究センター・研究員)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽参加者数:29日・6人、30日・6人


<報告:阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)>

           

阿部准教授の論文が京都新聞や多数のテレビ番組で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、京都新聞の「科学トピックス」や、全国放映のニュース番組やバラエティ番組などで多数報道されました。


 8月23日付の京都新聞朝刊の教育面では、論文の内容が詳しく説明され「人間の行動予測に役立つ可能性がある研究成果」と紹介されました。また、下記リストにあるように、テレビでも多数報道され、うそと脳活動の関係への社会の関心の高さがうかがえました。


1408abe_kyotonp.png【新聞報道:追加】
・京都新聞「科学トピックス うそと脳活動に関係」(8月23日付朝刊/教育面)


【テレビ報道:追加】
・日本テレビ ヒルナンデス(2014年8月6日)
・日本テレビ 情報ライブ ミヤネ屋(2014年8月6日)
・朝日放送 キャスト(2014年8月6日)
・日本テレビ Oha!4 NEWS LIVE (2014年8月7日)
・日本テレビ スッキリ!!(2014年8月7日)
・日本テレビ ウェークアップ!ぷらす(2014年8月9日)


□論文の発表記事と概要はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

           

阿部准教授の論文が日本経済新聞で報道されました

 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、日本経済新聞(2014年8月6日夕刊14面)で報道されました。


1408abe_nikkei.png「うそつき、脳で分かる?京大、活動領域で解明 学生ら30人を測定」


脳の活動領域から正直者とうそつきの違いが分かったと、京都大の阿部修士特定准教授らの研究グループが発表した。報酬を期待する際に働く「側坐核」という領域の活動が活発な人ほど、うそをつく割合が高かったという。論文は7日、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(電子版)に掲載される。


(記事より)


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の共著論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

           

福岡県立明善高校の生徒さんがセンターを訪問しました

 強い陽射しが照りつける8月1日の午後、福岡県久留米市の福岡県立明善高校2年生の生徒さん19名がこころの未来研究センターを訪問し、鎌田東二教授と阿部修士准教授のレクチャーを受け、センター連携MRI研究施設を見学しました。


 文部科学省SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その活動の一環として関西研修に訪れた同校は昨年に続いて2度目の訪問です。今回は、昨年の倍以上の生徒さんがやって来ました。まずはじめに鎌田教授が、こころの未来研究センターの取り組みを紹介しました。鎌田教授は、センター開設の経緯を振り返りながら、「こころをテーマにした、かつてないユニークなコンセプトで始まった研究センターです。最先端の脳科学から目に見えない魂の世界までを見つめる宗教学まで、様々な分野で横断的に研究を進めています」と、説明しました。


 また、自身の研究分野である宗教学、民俗学を取り上げ、研究の具体例を示す形で、スタジオジブリの映画「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」を時代、経済、民俗、宗教、思想など様々な要素で比較し、「生きている人間の心や価値観は変化している。それらを比較しながら人のこころのありようを見つめる研究があることを知ってほしい。こころの未来研究センターには、日本で唯一のブータン学研究室もある。このように、様々な角度から学際研究を進めています」と話し、前半を締めくくりました。


 続いて、一行はセンター連携MRI研究施設に移動し、認知神経科学が専門の阿部准教授がfMRIを用いた心理学実験についてレクチャーしました。阿部准教授は「私はもともと高校では理系、でも大学では文系の学部に進みました。しかし途中で方向を変えて現在の認知神経科学の研究者の道へと到りました」と自己紹介し、現在、センターに設置されているMRIやその周辺設備を紹介しました。パワーポイントを用いて、fMRIの歴史と研究の現状や、MRI設備を用いて研究する際に注意すべき点などをレクチャーしました。その後は、大塚結喜研究員が実際に被験者となり、fMRIを用いた簡単な実験を行い、生徒さんたちは隣室から熱心に見学しました。見学のあと、「fMRIは人体には影響はありませんか?」「将来的にうそ発見器を作るようなことは可能ですか?」「暗記がうまくなるような脳の活用法はありますか?」など、多岐に渡る質問が投げかけられ、終始なごやかな雰囲気で見学時間が過ぎました。


 全てのレクチャーが終了したあと、生徒さんたちからは「生命やこころの大切さを考える研究があることを知ることができた」「鎌田先生の話は、聞いたことのない研究の話だったので新鮮だった」「実験まで見学できたのが面白かった」など、イキイキとした感想が寄せられました。今後も、こころの未来研究センターでは、次代を担う若き人材に対して、様々な形でセンターの取り組みをご紹介して参ります。


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阿部准教授の論文がKTVニュースなど多数のメディアで報道されました

140807abe.png 『Journal of Neuroscience』に掲載された阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」の内容が、KTV(関西テレビ)ニュース、読売テレビニュース、Yahoo!ニュース、マイナビニュース、ライブドアニュースなど、多数のメディアで報道されました。


 関西圏で放映されたKTVニュース(8月6日、午後2時55分〜)では、阿部准教授が大学本部でおこなった記者会見の模様やfMRIを用いた実験の様子が映し出され、今回の論文で発表された「正直な人、嘘をつく人は脳の側坐核(そくざかく)の活動に違いがある」という内容が図表と共に分かりやすく紹介されました。


 また、Yahoo!ニュースのトップなど、インターネット上のニュースメディア各社でも報道されました。以下、ウェブ上でご覧いただけるニュースのリンク(2014年8月7日現在)をご紹介します。


うそつき、脳で分かる? =活動領域で解明―京大 - Yahoo!ニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - 日テレNEWS24

なぜ正直者と嘘つきがいるのか?-京大が脳活動から原因を解明 - マイナビニュース

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表 - ライブドアニュース

うそつき、脳で分かる?=活動領域で解明―京大 - ガジェット通信

"ウソつき"は脳で分かる...京大研究G発表(日本テレビ系(NNN)) - Y!ニュース


□論文の発表記事はこちら
阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

           

阿部准教授の論文が『Journal of Neuroscience』に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文「Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty」が、8月6日付で『Journal of Neuroscience』に掲載されました。


 以下、論文の概要です(記者発表資料より掲載)。


「どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明―」


論文タイトル:Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honesty
掲載誌:Journal of Neuroscience
著者:Nobuhito Abe (Kyoto University), Joshua D. Greene (Harvard University)
掲載日:2014年8月6日(米国東海岸時間)


□論文の概要

 世の中には正直者と嘘つきがいますが、どうしてそのような個人差があるのかはわかっていません。今回の研究では、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みを調べました。
 その結果、報酬(今回の研究ではお金)を期待する際の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高いことがわかりました(図1)。さらに、側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に、「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる領域の活動が高いこともわかりました(図2)。
 今回の研究は、側坐核の活動の個人差によって、人間の正直さ・不正直さがある程度決まることを示した、世界的にも初の知見です。


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大塚研究員の共著『自己を知る脳・他者を理解する脳 ――神経認知心理学からみた心の理論の新展開』が出版されました

1407jiko.png 大塚結喜センター研究員の共著『自己を知る脳・他者を理解する脳 ――神経認知心理学からみた心の理論の新展開』が2014年7月、新曜社より刊行されました。


 「社会脳シリーズ」第6巻にあたる同書は苧阪直行京都大学名誉教授の編集により、大塚研究員をはじめとする8名の執筆者がそれぞれの分野から最新の研究成果と知見を披露しています。大塚研究員は、第6章「心の理論の脳内表現」を担当し、「心の理論の脳内基盤」、「Eネットワーク」、「人称問題」などについて執筆しています。


 自分のことは自分が一番よく知っていると思いがちですが、本当にそうでしょうか? 自分を知ることは他者を理解することより難しいかもしれません。本巻では、自己と他者の意識はどのように脳内で表現されているのか、「他者の心」を推測する心のはたらきである「心の理論」の脳内メカニズムはどのようなものかを、脳イメージングを駆使したさまざまな研究を通して紹介します。自分の手ではないゴムの手の模型が、あたかも自分の手であるかのように感じられるラバーハンド実験や、意図や攻撃、情動の脳メカニズムの探索、他者と同調する脳を2台の脳スキャン装置を連動させて観察する実験など、今回も興味のつきない内容です。


(出版社による書籍紹介より)


『自己を知る脳・他者を理解する脳 ――神経認知心理学からみた心の理論の新展開』
・編者:苧阪直行
・発売日:2014年7月25日
・定価:本体3600円+税
・四六判上製320頁+カラー口絵15頁
・ISBN 978-4-7885-1397-6


出版社の書籍ページ(目次、ためし読みページ有り)
Amazon.co.jpの書籍ページ

           

阿部准教授と伊藤研究員の論文が『Brain and Cognition』に掲載されました

阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員の共著論文「The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target」が、『Brain and Cognition』90号に掲載されました。


140707abe.pngAbe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Hashimoto R, Hayashi A, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
The neural basis of dishonest decisions that serve to harm or help the target
Brain and Cognition 90: 41-49
http://www.journals.elsevier.com/brain-and-cognition/


(論文の紹介/著者より)
人間は自分の利益のために、他者を傷つけてしまう「利己的な嘘」をつく場合もあれば、他者を思いやって「利他的な嘘」をつく場合もあります。今回の研究ではfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて、この二種類の嘘の意思決定に関わる神経基盤が異なることを明らかにしました。以前に報告したHayashi et al. (2014) の論文では、これら二種類の嘘に対する俯瞰的な道徳判断の神経基盤を報告しましたが、今回の論文では自分自身の意思決定に関わる神経基盤を報告しました。


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大塚研究員の論文が『老年精神医学雑誌』に掲載されました

 大塚結喜センター研究員(認知心理学)の論文「高齢者のワーキングメモリ」が、日本老年精神医学会の準機関誌『老年精神医学雑誌』25巻に掲載されました。


大塚結喜(2014)高齢者のワーキングメモリ,老年精神医学雑誌, 25, 498-503


<抄録>
ワーキングメモリは高齢者の記憶システムの中でも最も衰えている記憶機能のひとつである.その原因は脳の前頭葉の衰退にあると考えられてきたが,近年のニューロイメージング研究では前頭葉だけでなく,ワーキングメモリーを支える脳内ネットワークが高齢者と若年者では異なっている可能性が指摘されている.本論文では,高齢者のワーキングメモリを支える脳内ネットワークを検討したニューロイメージング研究について紹介する.

           

京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズで阿部准教授が講演しました

 京都大学東京オフィス連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」が、全4回に渡って港区の京都大学東京オフィスでおこなわれています。第2回目は、2014年6月4日、阿部修士准教授(上廣こころ学研究部)が「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」という演題で講演しました。当日は、河合俊雄教授が司会進行とディスカッサントを務め、講演についての説明やセンターの活動等を紹介するとともに、講演後に阿部准教授とディスカッションを行いました。


 なお、第3回目は6月11日、熊谷誠慈准教授による講演がおこなわれました。第4回は6月18日に開催されます(申し込み受付終了)。後日、ホームページにてご報告します。


 京大のウェブサイトでもレポートが掲載されました。
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来-私たちのこころは何を求めているのか- 第2回を開催しました。(2014年6月4日)- 京都大学


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[開催ポスター]
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[DATA]
「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ15 こころの未来 -私たちのこころは何を求めているのか-」
第2回「自分の意思で決めるとはどういうことか? -心理学と脳科学の視点から」
▽日時:2014年6月4日(水) 18時30分~20時00分
▽場所:京都大学東京オフィス(港区)
▽講師:阿部修士(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門特定准教授)
▽内容:「現代の社会で私たちは驚くほどたくさんの決断を迫られます。感情の赴くままに決めることもあれば、自分の気持ちを抑えて決めることもあるでしょう。心理学と脳科学の観点から、私たちがどのように迷い、決めているのか、そのメカニズムを考えていきたいと思います。」
▽参加者数:141名

           

阿部准教授と伊藤研究員の共著論文が『Brain Research』に掲載されました

140326abe_brain_research.png 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)と伊藤文人日本学術振興会特別研究員らの共著論文が、脳神経科学の国際ジャーナル『Brain Research』(vol.1556, 27 March 2014)に掲載されました。


 この論文では、他者を傷つけてしまう「悪い嘘」と、他者を思いやってつく「良い嘘」が道徳的に許容できるか否かを判断する際の脳のメカニズムを調べた研究です。fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた実験によって、この二種類の嘘の道徳判断は異なる神経基盤によって実現されていることが明らかになりました。


 論文の詳しい情報は、ジャーナルのウェブサイトをご覧ください。下記リンクからアクセス可能です。


Hayashi A, Abe N, Fujii T, Ito A, Ueno A, Koseki Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2014)
Dissociable neural systems for moral judgment of anti- and pro-social lying
Brain Research 1556: 46-56


URL:http://dx.doi.org/10.1016/j.brainres.2014.02.011


○Abstract
Pro-social lying, which serves to benefit listeners, is considered more socially and morally acceptable than anti-social lying, which serves to harm listeners. However, it is still unclear whether the neural mechanisms underlying the moral judgment of pro-social lying differ from those underlying the moral judgment of anti-social lying. We used functional magnetic resonance imaging (fMRI) to examine the neural activities associated with moral judgment in anti- and pro-social lying. During fMRI scanning, subjects were provided with scenarios describing a protagonist׳s anti- and pro-social lying and were then asked to judge whether the protagonist׳s act was morally appropriate. The behavioral data showed that anti-social lying was mostly judged to be morally inappropriate and that pro-social lying was mainly judged to be morally appropriate. The functional imaging data revealed dissociable neural systems for moral judgment in anti- and pro-social lying. The anti-social lying, which was judged to be morally inappropriate, was associated with increased activity in the right ventromedial prefrontal cortex, right middle frontal gyrus, right precuneus/posterior cingulate gyrus, left posterior cingulate gyrus, and bilateral temporoparietal junction when compared with the control condition. The pro-social lying, which was judged to be morally appropriate, was associated with increased activity in the right middle temporal gyrus, right supramarginal gyrus, and the left middle cingulate gyrus when compared with the control condition. No overlapping activity was observed during the moral judgment of anti- and pro-social lying. Our data suggest that cognitive and neural processes for the moral judgment of lying are modulated by whether the lie serves to harm or benefit listeners.

           

fMRI体験セミナー2013を開催しました

 2月12日(水)、13日(木)の2日間、「fMRI体験セミナー2013」が、こころの未来研究センター連携MRI研究施設南部総合研究1号館地階MRI実験室にて開催されました。


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 本セミナーは、主に学内の大学院生・学部生・研究員を対象に、現在の脳機能画像研究における主要ツールの一つ「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」による研究を体感してもらうために開催しました。阿部修士准教授、上田祥行助教、中井隆介研究員らが講師を担当し、レクチャーおよび実験指導をおこないました。


 はじめに、MRIの基礎と脳機能画像研究の概要を説明した後、参加者全員がfMRI装置を実際に使った課題をおこないました。実験後は、その場で担当者と共にデータの解析へ。自分の脳のかたちと活動の様子を実際に見て分析に挑戦しました。実験デザインの作成方法等についても担当者が説明をおこない、さらに質疑応答とディスカッションで知識を深めてもらいました。


○参加者の声(アンケートより)


・「基礎的なことが分かったので、入門者としてとても良かった。MRI研究を始めるのを後押ししてくれるセミナーになると思う」(教育D3)
・「実験に参加することができて純粋に面白かったです。人数がほどよく質問しやすくて良かったです」 (文学D3)
・「とてもわかりやすくて良かったです。自分の脳活動が実際に画像で見れて良かったです。感動しました」 (経済・研究員)
・「fMRIに入ったのは初めてでしたが、不安もなく楽しむことができました」 (文学4回生)
・「全く初めてのfMRIについてのセミナーでしたが、イメージがわきました。とても親切に色々と教えて頂き、とても勉強になりました」(医学D1)
・「わかり易く丁寧に答えて頂けてとてもよかったで す。MRIの研究室は冷たいイメージが勝手にありましたが、覆されました」(文学2回生)


[開催ポスター]
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[DATA]
▽日時:2014年2月12日(水)13日(木)両日とも13:00~17:00
▽場所:京都大学南部総合研究1号館地階MRI実験室
▽担当者:阿部修士(こころの未来研究センター・特定准教授)、上田祥行(こころの未来研究センター・特定助教)、中井隆介(こころの未来研究センター・研究員)
▽参加者数:初日・2日目合わせて計12名

           

こころの未来 脳科学集中レクチャー「機能局在から統合へ」を開催しました

 こころの未来 脳科学集中レクチャー2013「機能局在から統合へ」が、2013年12月25日(水)・26日(木)の2日間、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。講師に北澤茂先生(大阪大学大学院生命機能研究科教授)をお迎えし、基礎理論から先端研究までを網羅した内容でレクチャーいただきました。

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 2日間かけて開催されたセミナーは、北澤先生ご自身の最新の研究成果をもとに脳の情報処理過程についての講義が両日共に90分×3回、計6回に渡り質疑応答を交えておこなわれました。動物実験やヒトを対象とした心理物理実験だけではなく、自閉症を対象とした研究、あるいは意識についての研究など、多岐にわたる内容となりました。


○参加者の感想より
・北澤先生の研究に対するスタンスやアプローチに直接触れることのできる大変有意義な機会でした(学部4回生)
・今年もすばらしいレクチャーでした。ありがとうございます。自身の研究を進めていく上での、本当に良いモチベーションになったと思います(所属記載なし)
・たっぷり2日間あって良かったです。色々なトピックもあって面白かったです(人間・環境学研究科修士1回生)
・ふだん聞けないような内容の話を聞けて、非常に面白かった(所属記載なし)
・多岐に渡るテーマで現代の脳研究を概観でき、とても刺激になりました。Integrated Informationに関する解説が大変参考になりました(医学研究科修士2年)
・機能局在からネットワーク理論まで、基礎や臨床応用を学ぶことができ、大変勉強になりました(医学研究科博士課程3年)
・幅広い内容を脳内での情報統合という観点でマクロな視点からまとめ上げておられ、局所の脳機能だけでなくネットワークとして理解することの重要性を感じた(医学研究者博士課程4年)
・統合に対する考え方や、アプローチの仕方などとても参考になりました(他大学学部生)
・脳科学の基本と先端の研究成果を分かりやすく伝えて頂き感謝しています。研究の発想や方法論についても刺激を受けました(所属記載なし)
・脳科学におけるトレンドや、それに付いていくための必要な勉強量を痛感するレクチャーでためになりました。先生ご自身が非常に楽しみながら紹介されておられたことが印象に残っています(人間・環境学研究科学部1年生)


(報告:こころの未来研究センター准教授 阿部修士・上廣こころ学研究部門)


[開催ポスター]
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[DATA]
こころの未来 脳科学集中レクチャー2013「機能局在から統合へ」
▽日時:2013年12月25日(水)・26日(木)
両日とも10:30 - 12:00及び13:30 - 16:45
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:北澤茂先生(大阪大学大学院生命機能研究科 教授)
▽参加者数:88名 ※初日

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2013年

           

fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析」を開催しました

 9月12日・13日の2日間、fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析」を稲盛財団記念館大会議室にて開催しました。講師には、河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions、脳活動イメージングセンタ)をお迎えしました。


 2日間に渡る講義と実習を通じてfMRIにおける領域間解析のスキル獲得を目的とした本セミナーでは、はじめに講義で解析法の背景にある理論についての理解を深め、実習では参加者それぞれが持参したPCを用いて、自ら手を動かしながら実際のデータを解析しました。解析法には、認知神経科学的な実験パラダイムと相性の良い Psycho-physiological Interaction(PPI)解析と Dynamic Causal Modeling (DCM)が用いられました。体系的な理論、知識を講義で学び、実践的な解析を実習で経験できた参加者からは大変好評なセミナーでした。


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○参加者の感想

・スライドによる講義、実習とバランスもテンポもよく、非常によかったです。
・PPIとDCMは初めてだった為、全体的に難しく感じましたが、随時、質問を受け付けて頂いたので、ありがたかったです。
・内容が濃かった。良かった。自分にとって新しいことばかりだった。
・高度な内容をわかりやすく、楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。
・非常に勉強になりました。(中略)DCMをどのように適用するのか、という部分の流れがつかめたので、実験計画、仮説モデルを立てる際に非常に参考になる内容でした。受講できてほんとうに良かったです。ありがとうございました。
・実践的な手法(しかも先端的で難解なもの)を教えて頂けるのは本当にありがたいです。
・解析で困っていた点を、今回の講習で質問させてもらって解決することができて、とても有意義でした。このような機会を提供して頂いてありがとうございました。


[DATA]
fMRI解析セミナー「脳領域間結合解析」
▽日時 2013 年9月12日(木)・13日(金)
各日とも10 時~12時及び13時30分~17時
▽場所:稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:河内山隆紀先生(株式会社ATR-Promotions, 脳活動イメージングセンタ)
▽参加者数:38名

           

福岡県立明善高校の生徒さんがセンターを訪問しました

 2013年8月2日、福岡県久留米市の県立明善高校の生徒さん8名がこころの未来研究センターを訪問し、鎌田東二教授と阿部修士准教授のレクチャーを受け、センター連携MRI研究施設を見学しました。


 文部科学省SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その活動の一環として関西研修に訪れた同校。まずはじめに鎌田教授がセンター全体の取り組みを紹介しました。宗教学・民俗学を専門とする鎌田教授は、センターの研究者が「それぞれの専門領域を横断しながら学際的な"こころ"の研究を進めている」ことを分かりやすく説明しました。東日本大震災後の取り組みや、自身が携わる癒し空間や負の感情研究などを紹介。歌あり、法螺(ほら)貝吹きありのユーモラスな講義で、和やかな雰囲気に包まれました。


 続いて、一行はセンター連携MRI研究施設に移動し、認知神経科学が専門の阿部准教授がfMRIを用いた心理学実験についてレクチャーしました。その後は、実際にfMRIを用いた簡単な実験を行い、生徒さんたちは隣室から熱心に見学しました。


 3時間ほどの時間でしたが、"こころ"という目に見えないものを様々な角度から研究している当センターの取組みを、宗教学と認知神経科学という異分野の研究者の講義から知っていただきました。センターでは、今後も未来を担う若い人材との交流を積極的に行って参ります。


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阿部准教授の論文が "Neuroscience Research" と "Brain and Development" に掲載されました

 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)の論文が、"Neuroscience Research Vol.76-4" と "Brain and Development Vol.35-5" に掲載されました。


 "Neuroscience Research" に掲載された論文は阿部准教授が筆頭著者で、「虚再認」と呼ばれる記憶のエラーに関わる脳活動を、fMRIで調べた研究結果をまとめています。"Brain and Development" には共著論文が掲載され、Prader-Willi症候群における食行動の異常と脳血流との関係を見た研究となっています。


Abe N, Fujii T, Suzuki M, Ueno A, Shigemune Y, Mugikura S, Takahashi S, Mori E (2013)
Encoding- and retrieval-related brain activity underlying false recognition
Neuroscience Research 76 (4): 240-250


Ogura K, Fujii T, Abe N, Hosokai Y, Shinohara M, Fukuda H, Mori E (2013)
Regional cerebral blood flow and abnormal eating behavior in Prader-Willi syndrome
Brain and Development 35 (5): 427-434


 論文の abstract や概要は下記リンク先ページにてご覧いただけます。


Science Direct: "Neuroscience Research Volume 76, Issue 4"
Science Direct: "Brain and Development Volume 35 Issue 5"

           

阿部准教授が第15回ヒト脳機能マッピング学会で若手奨励賞を受賞しました

P7131126.JPG 阿部修士准教授(上廣こころ学研究部門)が、2013年7月5日・6日に東京大学伊藤国際学術研究センターで開催された「第15回ヒト脳機能マッピング学会」において、「若手奨励賞」を受賞しました。


 若手奨励賞は、同学会で発表された演題の中から35歳以下の筆頭発表者による優秀な抄録に対して贈られる賞です。今回、阿部准教授は「虚記憶の記銘と想起に関わる神経基盤」という演題で、記憶の間違いの背景にある脳活動をfMRIを用いて調べた研究について発表し、同賞に選ばれました。


 阿部准教授は、「このような賞を受賞できて大変光栄です。今後もさらに身を引き締めて研究を続けていこうと思います」と、コメントしています。


第15回日本ヒト脳機能マッピング学会のホームページ
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テレビ番組『ガリレオX』にセンター連携MRI研究施設での実験風景が放映されました

130520tv5.png BSフジで放映されているテレビ番組『ガリレオX』に、こころの未来研究センター連携MRI研究施設での実験風景が放映されました。


 ガリレオXは、毎週日曜の朝、BSフジにて放映されている30分の科学ドキュメンタリー番組です。サイエンスやテクノロジーに関わる新しい動向や注目の研究を、本格的に分かりやすく紹介しています。


 4月28日放映の番組では、「なぜ脳はだまされるのか?『錯覚』から見える脳の戦略」というテーマで、錯覚の現象の数々を紹介するとともに、錯覚にかかわる最新の研究をレポート。本来動いていない画像を見ても動いていると錯覚してしまう「錯視」の状況下で脳のどの部分が活発に反応しているのか、文学部の蘆田宏准教授(視覚科学)と、こころの未来研究センターの中井隆介研究員がfMRI装置で脳測定を行う様子や結果が紹介されました。


 以下、番組映像からセンター連携MRI研究施設の部分をご紹介します。

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 センター連携MRI研究施設のfMRI装置で「錯視」時の脳活動を測定中。

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 隣りの操作室でモニター観察するこころの未来研究センターの中井研究員(写真右)と文学部の蘆田准教授(写真左)。

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 連携MRI研究施設内部。

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 研究施設名もテロップで紹介されました。


(ガリレオX「なぜ脳はだまされるのか?『錯覚』から見える脳の戦略」放映画面より)


□ガリレオX 番組サイト
http://web-wac.co.jp/program/galileo_x/gx130428-2

□こころの未来研究センター連携MRI研究施設のページ
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/MRI/index.php

こころの未来研究センター連携MRI研究施設開設記念シンポジウム「脳科学の地平を拓く -こころと社会につながる新たな知-」が開催されました

 2013年2月16日、連携MRI研究施設開設記念シンポジウム「脳科学の地平を拓く -こころと社会につながる新たな知-」が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。


MRsympo-1.png▽開催日時:2013年2月16日(土)13:00~17:40
▽開催場所:京都大学稲盛財団記念館3F大会議室
▽対象:研究者、学生
▽参加者数:74名
▽プログラム:
・13:00 - 13:10 開会挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター)
・13:10 - 13:20 来賓挨拶 澤川和宏(文部科学省研究振興局学術機関課長)代読 小坂井克也(文部科学省研究振興局学術機関課課長補佐)
・13:20 - 13:30 来賓挨拶 井村裕夫(元京都大学総長・財団法人先端医療振興財団理事長)
・13:30 - 14:10 定藤規弘(自然科学研究機構生理学研究所)「領域架橋共同研究に於けるMRIの役割 -社会神経科学を例に-」
・14:10 - 14:50 坂井克之(東京大学大学院医学系研究科)「ヒト前頭前野と認知制御」
・14:50 - 15:30 本田学(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)「感性的質感認知へのイメージングからのアプローチ」
・15:30 - 15:50 休憩 Coffee Break
・15:50 - 16:30 Joan Chiao(Northwestern University, U.S.A.)" Cultural neuroscience: Mapping cultural and genetic diversity in the developing brain"
・16:30 - 17:10 Julie Grèzes(Ecole Normale Supérieure, France)" The interplay between the limbic and the cortical motor systems"
・17:10 - 17:50 Shihui Han(Peking University, China)" How do we understand and share others' pain? The effect of social group relationships"


■ 複雑で多様な人のこころを解明するために。開かれた共同研究施設として新たな一歩へ


130216fMRI1.png こころの未来研究センター連携MRI研究施設は、2012年4月、南部総合研究1号館に設置されました。fMRI装置(機能的磁気共鳴画像装置)を用いた脳科学研究が本格的に始まり、すでに8つの研究プロジェクトが生まれ、センター内外の研究者らが連携して研究を進めています。


 シンポジウムの開催にあたり、吉川左紀子 こころの未来研究センター長は、挨拶のなかでこのように連携MRI研究施設について紹介しています。
 「本施設は、日本学術振興会の最先端研究基盤事業に採択された『こころの先端研究のための連携拠点構築事業(WISH)』の一環として導入されたMRI装置を中心とする研究施設です。こころの未来研究センターのような人文社会系の部局にMRIという大型の先端研究設備が整備されたことは、こころの科学研究の推進にとって画期的な出来事です。設置にあたり、情報学研究科の水原啓暁先生、自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘先生、ATR脳活動イメージングセンタの正木信夫先生をはじめ多くの方のお力により無事に設置されました。この場をお借りして先生方のお力添えとご努力に感謝します。」


 また、2007年4月に設立した当時のセンターを振り返りながら、「開設当初、こころの未来研究センターは、例えていえば更地の上に小さな家を建てたような研究組織でした。6年後、こうした最新の実験設備が整備され、国内外で先端研究を推進されている中堅、若手の研究者の方々をお招きして記念シンポジウムを開催できることを本当に嬉しく思います。さらに先日、WISH事業に参画する東京大学、北海道大学にもfMRI装置が整備されることが決まりました。本日、会場に来られている岡ノ谷一夫先生は、東京大学におけるWISHの中心メンバーです。こころの先端研究を推進する、それぞれに異なる個性を持った国内外の研究組織を結ぶこと、そしてまさに絆を生み出すこころの仕組み、絆が作り出す人間社会のあるべき姿を複数の大学の研究者が共同して研究すること、文部科学省の支援を受けながら、新しい研究の仕組みが一歩一歩作られつつあることを実感しています」と、話しました。


 挨拶の結びには、「人のこころのように、複雑で多様で謎に満ちた働きを科学的に解明するには、様々な役割を担う複数の組織からなるネットワークの共同作業が不可欠です。それはまさに人間の脳の仕組みと同じではないか、と考えます。こころの未来研究センターは、こうした大きな事業の一翼を担い、今後、この連携MRI研究施設から多くの研究成果を発信していきたいと考えています。会場に来られている皆様も、こころの未来研究センター連携MRI研究施設を、どうぞご自身の研究にご活用ください」と、連携MRI研究施設の重要性と、今後の展望を話しました。


P2163600.JPG 来賓のご挨拶として、澤川和宏 文部科学省研究振興局学術機関課長に代わり小坂井克也課長補佐より、次のようなご祝辞をいただきました。
 「21世紀を迎えた現代社会では、心の働きの不調から生まれる様々な問題に直面しています。こころの働きの科学的解明には、認知科学や社会諸科学との連携、さらには脳科学との共同研究の場が不可欠であると考えられています。こころの未来研究センターでは、こころと密接なつながりを持つ脳のデータを科学的に解析するために研究施設内にfMRI装置を導入され、心理学者や脳科学者などに開かれた学際的な共同研究施設として運用されており、人文科学と神経科学の融合による人の社会性に関する研究の発展に大きく貢献しておられます。さらに平成24年度補正予算により、北海道大学および東京大学にfMRI装置が導入されることにより、大規模集団実験と複数fMRI装置を連携した新たな研究の展開が期待されています。文部科学省としても、こころの未来研究センターが国内外の研究者コミュニティに開かれた研究拠点として、研究成果を広く社会に還元することで、こころについての科学的知識の普及を図るとともに、顕在化しているこころの問題の本質的解決へ向けた人材育成にも大きく貢献されることを期待しています。」


 続いて、井村裕夫 元京都大学総長・財団法人先端医療振興財団理事長からは、次のようなご挨拶をいただきました。
 「脳とこころの研究は、21世紀の生命科学に残された最大のフロンティアであるといえます。しかし脳は、その構造の複雑さのゆえに、また、現時点では少なくともこころは最終的に主観的にしか分からないゆえに、アプローチがきわめて困難な分野であります。それゆえにこそ、ゲノム科学、生化学、生理学、臨床医学、心理学をはじめとした様々な手法が研究に用いられています。MRI、特にfMRIが極めて有力な研究手技であるということは言うまでもなく、この度のセンター連携MRI研究施設の完成により、京都大学を中心とした脳とこころの研究が、新しい飛躍の足場を作ることができたのではないか、と思います。本日のシンポジウムでは、こころと社会の関係についての最近の研究が、脳科学の視点から議論されるものと考えております。第一線の研究者の方々から新しい知見を聴くことは大変愉しいことです。そういう意味で、私も愉しみにしてこの会にやって参りました。皆様も、このシンポジウムをおおいに楽しんでいただきたいと思っています。」


 その後、神経科学の第一線で活躍する6名の研究者らが登壇し、特別講演を行なっていただきました。定藤規弘先生(自然科学研究機構生理学研究所)、坂井克之先生(東京大学大学院医学系研究科)、本田学先生(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)、Dr. Joan Chiao(Northwestern University, U.S.A)、Dr. Julie Grèzes(Ecole Normale Supérieure, France)、Dr. Shihui Han(Peking University, China)が、それぞれ最新の研究成果と活動内容を紹介しました。シンポジウム会場には、ポスター掲示も同時に行なわれ、休憩時間にはこれらを眺めながらの活発な会話と交流が見られ、盛況のままシンポジウムは終了しました。


 当日のプログラムと特別講演のアブストラクトは、こちらよりダウンロードしてご覧いただけます。


▽登壇者とシンポジウム風景
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阿部助教が平成24年度生理研研究会でトラベルアワードを受賞しました

130227abe.png こころの未来研究センターの阿部修士助教が、平成24年度生理研研究会におけるポスター発表「腹側線条体における報酬感受性は不正直な行動を予測する」でトラベルアワードを受賞しました。

 阿部助教は、認知神経科学を専門とし、健常被験者を対象とした脳機能画像研究と、脳損傷患者を対象とした神経心理学的研究を行っており、主にヒトの正直さ・不正直さを生み出す脳のメカニズムについての研究を進めています。センター連携MRI施設の運用スタッフの一人として、施設の維持管理運営の役割も担っており、fMRIを用いた研究を支えています。

 受賞した発表のテーマと受賞の感想について、阿部助教は次のようにコメントしています。

「受賞したのは、『腹側線条体における報酬感受性は不正直な行動を予測する』というテーマの研究発表です。嘘をついたり、ズルをすることでお金が手に入る状況に直面した時、正直に振る舞えるかどうかには大きな個人差があります。この個人差を説明する脳のはたらきについては、今までよくわかっていませんでした。今回の研究は、脳の「腹側線条体」と呼ばれる報酬情報の処理に関わる領域の活動が高い人ほど、嘘をついてでもお金を手に入れようとする傾向が強いことを示した研究です。

 このような賞をいただくことができ、とても嬉しく思います。今後も研究に邁進していきたいと思います。」

 トラベルアワードは、平成24年度中の発表演題41の中から、抄録の審査をもとに14の発表が選ばれ、受賞者には研究会への旅費が支給されました。1月31日・2月1日に開催された研究会会場(自然科学研究機構・岡崎コンファレンスセンター)にて表彰が行なわれました。


平成24年度生理研研究会トラベルアワード受賞者のページ
http://www.nips.ac.jp/fmritms/2013/02/h24award.html

           

こころの科学 集中レクチャー2012「fMRI研究の基礎と実際」が開催されました

 2012年12月26日、27日の2日間、こころの科学 集中レクチャー2012が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。講師に自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能系 心理生理学研究部門 教授の定藤 規弘先生をお迎えし、「fMRI 研究の基礎と実際」という演題にてレクチャーを行っていただきました。


sadato.png▽日時:2012年12月26日(水)、12月27日(木)
▽場所:京都大学 稲盛財団記念館3階大会議室
▽こころの科学 集中レクチャー2012「fMRI 研究の基礎と実際」
▽講師:定藤 規弘 先生(自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能系 心理生理学研究部門 教授)
▽スケジュール:
12/26・① 10:30-12:00 ② 13:30-15:00 ③ 15:15-16:45
12/27・④ 10:30-12:00 ⑤ 13:30-15:00 ⑥ 15:15-16:45
▽参加人数:57名

開催案内ポスター:クリックすると大きく開きます→


 定藤先生は京都大学医学部を卒業し、国内外での臨床研修を経た後、京都大学大学院内科専攻(核医学: 小西淳二教授) において、人間の高次脳機能を非侵襲的に計測する脳賦活検査の研究を開始されました。その後、米国国立神経疾患卒中研究所、福井医科大学高エネルギー医学研究センターを経て、現在、生理学研究所でご活躍中です。日本の脳機能画像研究を牽引する第一人者であり、最近はヒトの社会性の神経基盤の研究で目覚ましい成果を挙げておられます。

 今回は、fMRI研究の基礎と実際について、下記のような内容で集中レクチャーを行っていただきました。レクチャーでは画像診断の歴史やfMRIの原理と方法論から詳細な実験手法、研究応用例に至るまで最先端研究が紹介され、授業の随所で活発な質疑応答が行なわれました。

■学習目標
・ヒトを対象とした非侵襲脳機能イメージング研究は爆発的な広がりを見せており、人文科学と神経科学を架橋するための鍵と目されている。
・本講義においては、非侵襲的脳機能画像法の原理と解析定量手法の解説からはじめ、その応用例として、言語を含む社会能力発達過程解明に向けた取り組みについて論ずる。
・最先端研究に触れ、その内容を理解する力を養うことを学習目標とする。

■授業の内容
・1)方法論:人体の可視化・機能的MRIと統計
・2)運動制御と模倣
・3)自己認知と自己意識
・4)共同注意と言語発達
・5)心の理論と共感/語用論
・6)対面コミュニケーションにおける感覚統合、学習、可塑性/向社会性行動の神経基盤

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2012年

           

中井研究員が第40回日本磁気共鳴医学会大会 学術奨励賞を受賞しました

P7131124.JPGこころの未来研究センターの中井隆介研究員が、第40回日本磁気共鳴医学会大会におけるポスター発表「演題:AuPt合金を用いた磁化率アーチファクト低減コイルの開発と評価」で学術奨励賞を受賞しました。

中井研究員は、生体医工学、生体情報工学を専門領域とし、京都大学再生医科学研究所の研究員として、MRI画像の画像取得手法や画像解析手法およびMRIからの情報を活かした生体シミュレーション手法の研究開発を行なうと共に、こころの未来研究センターで本年より本格始動した「センター連携MRI研究施設」のオペレーション担当として、ハード面、ソフト面双方で研究施設を支えています。

受賞したポスター発表では、脳動脈瘤のコイル塞栓術後のMRI画像で発生する磁化率アーチファクト(画像診断で問題となる実際のものとは異なる像)の低減を目指して開発したAuPt合金を用いたコイルの研究開発について紹介し、その内容と成果が評価され、学術奨励賞の受賞となりました。


センター連携MRI研究施設のページはこちら
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/MRI/index.html

           

阿部助教の論文が Psychologia に掲載されました

120906.pngこころの未来研究センター 阿部修士助教が執筆した総説論文が、国際心理科学誌 "Psychologia Vol.55 No.2" に掲載されました。

Nobuhito Abe (2012)
Neuroimaging studies of false memory: a selective review
Psychologia 55(2): 131-145

-----------------------------------------------------------------
This article reviews neuroimaging studies that have attempted to distinguish between true and false memory retrieval. It also reviews neuroimaging studies that have measured neural activity during encoding and addresses the question of whether the encoding-related neural activity predicts subsequent memory distortions. Finally, there is a brief discussion from the cognitive neuroscience perspective about whether the memory distortion reflects deficient cognitive processing or is a by-product of adaptive cognitive processing.

(Abstractより)
-----------------------------------------------------------------

本論文は、「記憶の間違い」の背景にある脳のメカニズムについての総説論文です。

□"Psychologia" (発行:Psychologia Society)
http://www.educ.kyoto-u.ac.jp/cogpsy/psychologia/

           

ドイツの情報サイト「dasGehirn.info」に阿部助教のインタビューコメントが掲載されました

神経科学に関する情報が集まったドイツのウェブサイト「dasGehirn.info」に、こころの未来研究センター 阿部修士助教のインタビューコメントが掲載されました。

fMRI(機能的磁気共鳴画像)が嘘を見抜く装置として利用される事例を取り上げたこの記事で、撮影結果を法廷等で利用することについて現時点の技術では危険である、という旨の考えを示した阿部助教のインタビューコメントを紹介しています(記事はドイツ語です)。

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dasGehirn.info
掲載記事は>>こちら

           

センター連携MRI研究施設に導入されたfMRI装置を紹介します

この春、こころの未来研究センター附属の連携MRI研究施設に「fMRI(機能的磁気共鳴画像)装置」が導入されました。

fMRI装置の導入は、文部科学省が推進する最先端研究基盤整備事業(=WISH「心の先端研究のための連携研究拠点構築」)の一環で進められました。

近年、認知心理学をはじめとする様々な心理学研究において、fMRI装置を用いた実験研究が盛んにおこなわれています。心と密接なつながりを持つ脳のデータを科学的に解析するために、欠かすことのできない研究の道具となっています。センターに最新鋭のfMRI装置が導入されたことで今後、脳データを用いた研究プロジェクトがより円滑に進むものと期待できます。

本格運用が始まった連携MRI研究施設とfMRI装置がどのようなものか、最新の写真をまじえたレポートをご紹介します。

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センター連携MRI研究施設のある京都大学南部総合研究1号館。稲盛財団記念館からは徒歩5分ほどです。

この建物の地階と2階に、MRI撮像室をはじめ、MRI操作室、心理実験用防音室、社会行動実験スペース、実験準備室、事務作業室等が配置されています。

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連携MRI研究施設内部にやってきました。左側の金属製の扉の奥にfMRI装置が設置されています。fMRI装置に入る被験者は、身につけている金属のものを全て取り除くよう注意書きが貼られています。

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fMRI装置の本体です。リアルタイムで脳の血流分布を撮影し、高画質なデータを取得できます。被験者はシートに横たわり、スキャナといわれる中央のトンネル状の穴に入ります。磁場中で頭にごく弱い電磁波を当てることで、身体を傷つけずに脳の血流分布データを撮影できます。認知心理学の実験では、fMRI装置内で被験者に絵や写真を見せるなど、様々な条件で被験者の反応を記録し、その結果を分析して研究に活かしています。

ちなみに、先日ホームページでご紹介した鎌田東二教授が代表研究者をつとめる「身心変容技法研究会」では、今後、fMRI装置を使って研究プロジェクトメンバーである瞑想指導者や禅および念仏指導者の瞑想状態を測定するユニークな試みを予定している旨が発表されていました。どのような実験結果になるのか、楽しみです。

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隣接の操作室からは、窓と監視モニターを通してfMRI実験室内を見ることができます。実験の様子は常に操作室から確認でき、研究者と被験者がコンタクトを取り合うことができます。

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連携MRI研究施設には、fMRI装置の他、各種の心理実験に対応した視聴覚刺激提示装置や、音声反応を含む反応計測装置が設置されています。

写真はコミュニケーション信号仲介中継システムといって、日本の研究施設でも数台しかない最新鋭の機材です。例えば、スキャナ内の被験者と外の被験者が互いの顔を見ながら実験するといった、他者とのコミュニケーションに関わる脳の実験に用いられ、人の社会的知性に関わる研究に利用できます。

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被験者がリラックスできるよう、fMRI撮影室と操作室のすぐそばにゆったりとしたソファも備わっています。研究者同士、あるいは研究者と被験者のコミュニケーションにも役立ちそうです。

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連携MRI研究施設の運用をこの春から担当する阿部修士助教(左)と、中井隆介研究員(右)です。

阿部助教は、東北大学大学院在籍時の約10年前からfMRI装置を用いた経験があり、当時いた研究室では、アルツハイマー病やパーキンソン病といった脳疾患を扱う研究を行なっていました。阿部助教自身も、健常被験者および脳損傷患者を対象とした実験研究に取り組んできた実績を持ちます。現在は「ヒトの正直さ・不正直さ」を生み出す脳のメカニズムについての研究を進めています。

中井隆介研究員は生体医工学、生体情報工学を専門領域とし、京都大学再生医科学研究所の研究員として、MRI画像の画像取得手法や画像解析手法およびMRIからの情報を活かした生体シミュレーション手法の研究開発をおこなっています。こころの未来研究センターでは、fMRI装置を用いた脳データの計測手法の開発や改良を進めながら、オペレーション担当としてハード面、ソフト面それぞれで施設の利用者を支えています。

連携MRI研究施設の本格運用の開始にあたり、担当者それぞれの抱負を聞きました。
「最新のパフォーマンスを持つfMRI装置をうまく活用し、世界のレベルに達する研究を世に送り出したい。施設の管理面を円滑に進めながら、自身の研究も発展させていきたいと思っています」(阿部助教)、「連携MRI研究施設における”縁の下の力持ち”として、事故のない安定稼働を目指します。また、今後の研究に応用できるような新たな解析手法や撮影手法等を積極的に研究開発していきたいと思っています」(中井研究員)と、熱意を語ってくれました。

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今後、センターではご紹介したfMRI装置を始めとする最新設備機材を様々なプロジェクトに活かし、「こころ」の先端科学研究の推進に役立てて参ります。

           

fMRI装置が搬入されました。

3月1日に、当センターの連携MRI研究施設にfMRI装置が搬入されました。
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