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鎌田教授の講演論文「神話と歌にみる言霊思想」が『地球システム・倫理学会会報』第8号に掲載されました

IMG_8845.jpg 鎌田東二教授が地球システム・倫理学会第8回大会シンポジウムでおこなった『神話と歌にみる言霊思想』の講演論文が『地球システム・倫理学会会報』第8号に掲載されました。


 学会シンポジウムのテーマは「日本語のちから」でした。鎌田教授は日本の「言霊思想」について「神話と歌にみる言霊思想」という演題で講演しました。日本最古の歴史書といわれる『古事記』には原初の自然そのものの存在や現象が言葉を発する「アニミズム的言語意識」が根底に流れていました。その後、言語定型化の流れにより「宗教的言語意識」が加わることで『万葉集』には明示的な「言霊の観念」が顕在化するようになり、さらに言霊思想は『新古今和歌集』にみられるような神仏習合的な和歌・言霊を包含する「真言思想」へと発展。こうした歴史的過程を鎌田教授は数々の文献と共に紹介。現代にまで脈々と流れる「言の葉にいのちが宿っている」という日本独自の言語生命観の様相について解説しています。


 神話は口承伝承されてきた物語であり、その起こりは神懸り的な神託だったのではないか。古代人はそこに、不可思議で超越的な言葉の霊妙なはたらきを感じとったのではないだろうか。
 「言霊」とは、そのような言葉のくしびなはたらきとちからに対する言語感覚に発する概念であろう。
 拙著『超訳 古事記』は、そのような、神話的伝承の言い伝えの世界を再現しようとした非常識で無謀なチャレンジであった。稗田阿礼が伝え来た伝承を語り、712年に太安万侶がそれを文字に起こして整序し、最終的にある編纂意図をもってまとめたものが『古事記』だとすれば、その『古事記』の世界の「原古事記」的な「伝承感覚」や「言語感覚」を探求する試みが『超訳 古事記』であった。(中略)
 わたしは、神話や様々な伝承には、言葉の霊妙なはたらきとちからに対する言霊的な「感覚」が注入されていると考える。というよりも、そのような言霊「感覚」なしに、「神話」は「神話」たりえず、「伝承」は「伝承」たりえないのだと考える。


(論文より抜粋)


地球システム・倫理学会のウェブサイト