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河合教授の共編著『遠野物語 遭遇と鎮魂』が出版されました

1404kawai_tohnomonogatari.png 河合俊雄教授の共編著『遠野物語 遭遇と鎮魂』が2014年3月、岩波書店より出版されました。編者は河合教授と赤坂憲雄学習院大学文学部教授で、執筆者に今石みぎわ東京文化財研究所研究員、田中康裕京都大学大学院教育学研究科准教授、岡部隆志共立女子短期大学教授、歌人の川野里子氏、猪股剛帝塚山学院大学准教授、岩宮恵子島根大学教育学部教授、三浦佑之立正大学大学院文学研究科教授らが名を連ねています。


【掲載情報】
YOMIURI ONLINEの書評サイト「本よみうり堂」に、本書が紹介されました。(2014.5.1追記)

『遠野物語 遭遇と鎮魂』 河合俊雄、赤坂憲雄編 |本よみうり堂>書評>短評


 本書は、主に民俗学と臨床心理学とによる『遠野物語』の共同研究をベースとした論集である。そのきっかけとなったのは、二〇〇七年九月十三日に赤坂憲雄さんに行っていただいた「『遠野物語』の心的構造」と題する、京都大学こころの未来研究センターでのセミナーである。赤坂憲雄さんとは梅原猛先生の文部省重点領域研究チーム「文明と環境」で、一九九〇年代のはじめに知り合ったが、久しぶりの再会であった。セミナーの夜に京都の町に飲みに行った際に盛り上がって、『遠野物語』についての学際的な研究会をはじめることが決まったのである。(中略)
 二〇〇八年三月四日を第一回として、ほぼ年二回のペースで八回の「遠野物語研究会」を行った。ユング心理学の側では、河合の他に田中康裕さん、岩宮恵子さんがコアなメンバーとなり、民俗学の側では赤坂さんの他に、国文学の三浦佑之さんが重要なメンバーとなった。第三回は「オシラサマと河童」、第四回は「山男・山女」などのように、テーマと読む話を決めて行うことも多かった。(中略)
 このような初期の成果は『季刊 東北学』第二三号(二〇一〇年)におけるいくつかの論考となって結実した。しかしこの研究会は、二〇一一年三月十一日に東北を襲った大震災によって大きな転回点を迎える。その後の九月に開かれた第八回研究会で、三浦佑之さんは「遠野物語と三陸」という題で発表し、第九九話とその類話を取り上げてくれた。そしてそれにつながる形で二〇一二年一〇月に島根大学で開かれた、岩宮恵子さんを大会委員長とする日本箱庭療法学会で「物語と鎮魂」と題するシンポジウムが開かれ、赤坂憲雄さん、三浦佑之さん、河合俊雄というこの研究会の中心メンバーがシンポジストを務めたのである。このようにして、この論集のもう一つの大きなテーマである「鎮魂」が前面に現れてきた。
 このような流れを踏まえて、この論集ではまず第一部は「遭遇」をテーマにしている。第二部はさらに物語から展開していったテーマが、実際の心理療法、歌謡、遊びなどとの関連で扱われている。そして第三部では、明治三陸大津波に関連する第九九話についての三浦佑之さんの論を元にしつつ、さらにその話についての三人の論考を集めて、「鎮魂」をテーマとしている。


(「はじめに 河合俊雄」より)


○目次


はじめに 河合俊雄
Ⅰ 「遭遇」という主題
出会いのトポス ー 描かれた山と人間 今西みぎわ
『遠野物語』と意識の成立 ー 河合俊雄
近代と前近代の狭間で消え去るお話たちのお話 ー 「狼」話群からみた「遠野物語」の意識 田中康裕
Ⅱ 物語の豊饒を継いで
異人は遊ぶ 岡部隆志
抒情詩としての『遠野物語』ー もう一つの言葉の可能性をめぐって 川野里子
「語ることのできないもの」 ー 物語と共同性 猪股剛
異界につながる物語の力 ー 『遠野物語』と心理療法 岩宮恵子
Ⅲ 鎮魂の物語 第九九話を読む
九九話の女 ー 遠野物語と明治三陸大津波 三浦佑之
和解について 赤坂憲雄
福二の三度の喪失 田中康裕
九九話におけるインターフェイスと振り返り 河合俊雄
あとがき ー 新たな読みの作法は可能か 赤坂憲雄


○書誌情報


・出版社:岩波書店
・発行日:2014年3月28日
・四六判・並製・カバー・276頁
・定価(本体 2,500円 + 税)
・ISBN978-4-00-025953-8 C0095


 上記「はじめに」の全文と第一章の本文の途中までを岩波書店のサイトで「立ち読み」できます。ぜひ下記リンクにアクセスのうえ、お読みください。


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