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鎌田教授の論文が『文明の未来』(東海大学出版部)に掲載されました

1405kamata_hikaku.png 鎌田東二教授の論文「生態智と平安文明」が、2014年5月に刊行された『文明の未来 いま、あらためて比較文明学の視点から 』に掲載されました。


 本書は、比較文明学会創立30周年を記念して出版された論文集です。第一部「いま、生態系と文明系を問う」、第二部「いま、生態智と文明智を問う」、第三部「いま、比較文明の方法論を問う」、第四部「文明の過去から未来を透視する」という四部構成になっており、鎌田教授の論文「生態智と平安文明」は第二部に収録されています。鎌田教授は、二十一世紀最大の課題である地球環境問題を克服し、持続可能な還流的「世界平安都市」「平安文明」をデザインしていくために不可欠な智として「生態智」を取り上げ、先駆者である南方熊楠、宮沢賢治らの足跡や東日本大震災後の歩みを紹介しながら、未来の文明の足掛かりとなる道筋について考察しています。


生態智と平安文明 鎌田東二


 いつの時代にも苦悩や悪や不安が絶えることはなかったが、二一世紀初頭の今日、現代文明の負の遺産がこれまでにはないような「累積赤字」を積み重ねていることに誰しもが深い不安と惧れを感じている。(中略)
 これまでの「収奪文明」がもたらしてきた地球的危機を解決し、持続可能な還流的「平安文明」(循環調和型の平らかで安らかな、平和・安心・安全・安寧の文明)を創造していくことが求められているが、そのためには「生態智」文化の再発掘と再布置・再構築が欠かせないだろう。「生態智」とは、「自然に対する深く慎ましい畏怖・畏敬の念に基づく、暮らしの中での鋭敏な観察と経験によって練り上げられた、自然と人工との持続可能な創造的バランス維持システムの技法と知恵」である。そうした「生態智」の事例と思想を、「平安京」と呼ばれて千年以上にわたり「みやこ」として維持してきた物質的基盤(水、食料、燃料、材木、ゴミ問題、人の流れ)と技術的基盤(芸術、技芸、学問)と精神的基盤(宗教、象徴性、呪術性、霊性)の中から探り当てて、未来の「平安文明の創造」に活かすモデルとも歴史都市事例ともしてみたい。その際、「生態智」思想の探求と実践例として、南方熊楠と宮沢賢治という二人の「K・M」の取組事例を検討しつつ、未来モデルを構想してみることにする。(論文より)


○書籍情報


『文明の未来 いま、あらためて比較文明学の視点から 』
編集:比較文明学会30周年記念出版編集委員会
出版社: 東海大学出版部
発売日: 2014/5/15
単行本: 318ページ
価格: 3000円+税
ISBN-10: 4486019830
ISBN-13: 978-4486019831


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